淋病の感染経路は?淋病の症状や原因について解説!
淋病は、淋菌(りんきん)という細菌が原因の性感染症(STI)です。
淋菌の感染経路は、性行為によって感染します。
淋病は、男性と女性とでは症状が異なります。
男性は、症状に気づきやすく、おしっこをしたときの激しい痛み、性器から黄色みがかった膿が出るなどが主な症状になります。
女性では、症状が軽いため、感染に気付かないことがあります。
主な症状は、おりものの悪臭、黄色みがかったおりものが出るなどの症状があります。
放置することでお腹の方へ感染が広がり、腹痛、発熱の症状が出ます。
また、不妊症の原因にもなるため、淋病の初期症状を見逃さないことが大切です。
今回のコラムでは、淋病の感染経路や症状について解説する他、
「淋病は性行為以外でも感染するの?」や「お風呂場での感染」などの疑問についても解説します。
淋病とは?
淋病とは、淋菌(Neisseria gonorrhoeae :ナイセリア・ゴノレア)と呼ばれる細菌が原因でかかる性感染症(STI)です。
淋菌の主な感染経路は、性交渉やオーラルセックスを行った際に粘膜や体液を介して感染する接触感染です。
淋菌は、湿度の高い環境を好むため、乾燥や温度の変化に弱い菌のため、お風呂やトイレなど公共の施設から感染することはありません。
性交渉後、2〜9日で症状が現れますが男性と女性とでは症状が異なります。
男性の場合、感染すると強い症状が出るため感染していることに気づきやすいのですが、女性の場合、症状が軽いため、感染に気付かないことがあります。
淋病は、抗菌薬の投与で治療を行いますが、抗菌薬が効きにくい耐性菌が報告されています。
今は治る病気でも耐性菌が増えることで、今後治らない病気になる可能性があります。
淋病の感染経路
淋病の原因菌となる淋菌は、性行為によって感染します。
性器同士の接触(性交)だけではなく、オーラルセックス、アナルセックスでも感染するため注意が必要です。
淋病はトイレやお風呂場でうつる?
淋病は、トイレやお風呂でうつることはありません。
淋病の原因菌である淋菌は、乾燥や温度変化など環境の変化に弱いため、すぐに死んでしまいます。
そのため、トイレやお風呂を淋病に感染している方と共有しても感染する可能性はほとんどありません。
しかし、タオルを介した感染が報告されています。
感染者の使用したタオルの共有、パンツの共有は気を付けましょう。
心当たりがない方でも淋病は性行為以外で感染することは少ない
淋病は症状が出ないこともあるため、心当たりがないまま感染しているケースも多いです。
現在のパートナーではなく、過去に交際していたパートナーから感染していることも考えられます。淋病の検査で陽性が出た場合は、まずは治療に専念することを考えましょう。
性行為以外で、淋病になることは稀ですが、 淋菌に感染したヒトのパンツやタオルを共有することで、付着していた体液が原因で感染する可能性があります。
淋病は自然発生することはありません
淋病は、自然発生することはありません。
淋病が広がるのは、淋菌に感染したヒトと性行為を行うことで感染する接触感染です。
淋菌はどこに感染する?淋菌が感染する部位について
淋菌は、性器、のど、肛門、目の粘膜に感染します。
淋菌にとってヒトの粘膜は、潤っているため、居心地のいい環境になります。
感染した部位によって症状が異なります。
次の様な症状があった場合、淋菌に感染している可能性があります。
男性の症状
男性の症状は、おしっこをしたときの激しい痛み、性器から黄色みがかった膿が出るなどの症状があります。
性交後、2~10日ほどで症状がでますが、稀に症状がでないこともあります。
症状が強く出るため、症状に気が付きやすいです。
女性の症状
女性の症状は、おりものの悪臭、黄色みがかったおりものが出るなどの症状があります。
性交後、数日で症状がでますが、症状が軽いため、感染に気づかないことがあります。
放置するとお腹の方へ感染が広がり、腹痛、発熱の症状がでます。
また、不妊症の原因にもなるため、淋病の初期症状を見逃さないことが大切です。
男女共通の症状
咽頭淋菌症
淋菌がのどに感染することで、喉の痛み、咳、発熱などの症状をきたす疾患です。
咽頭淋菌症は、キスやオーラルセックスを行うことで、淋菌が咽頭粘膜に感染します。
風邪の様な症状のため、自覚症状がないことが多いとされています。
淋菌性直腸炎
淋菌性直腸炎は、淋菌が直腸粘膜に感染することで直腸に炎症がおこる疾患です。
感染経路は、肛門性交を行うことでかかる可能性があります。
多くの場合、無症状で経過するため感染に気が付かないことが多いとされています。
淋菌性結膜炎
淋菌性結膜炎は、淋菌が結膜に感染することでかかる疾患です。
成人の場合、感染者の体液(主に膣分泌液)が目に入ることで感染しますが、新生児の場合、分娩時に産道を介して感染します。
淋菌が結膜に感染することで膿性のめやに、目の充血、まぶたの腫れなどの症状が出ます。
放置することで、失明する可能性があります。
淋病の潜伏期間
潜伏期間 | |
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男性 | 性交後、2日~10日 |
女性 | 性交後、数日 |
淋病(淋菌感染症)の潜伏期間は、性交後2日~10日とされています。
潜伏期間とは、病原体に感染してから発症までの期間のことを言います。
男性は、性交後2〜10日。女性の場合、数日とされています。
淋病の予防方法
性交渉を行うときには、コンドームを着用しましょう。ただし、コンドームの着用で淋病が必ず防げるわけではありません。
淋病は、症状が出ないこともあるため、罹っていることに気づかないことがあります。
そのため、定期的に検査を行うことで感染が広がるのを防ぐことができます。
不特定の相手と性的接触を避けることが望ましいですが、複数のパートナーがいる場合には定期的な検査をすることをおすすめします。
淋病の治療方法
淋病の治療方法は、抗菌薬(セフトリアキソン)の投与が行われます。
日本では、セフトリアキソンを筋肉に注射する方法で治療を行います。
治療を行ってから、2〜3週間ほどで完治すると言われていますが、セフトリアキソンに対する耐性を獲得した淋菌(薬剤耐性淋菌)が報告されています。
淋病は、今は治療できる病気でも完治が難しい病気になるかもしれません。
薬剤耐性菌を増やさないためには、処方された薬を最後まで飲みきること、治療を途中でやめないことが大切です。
淋病とクラミジアの同時感染
淋病にかかったヒトがクラミジアに感染している可能性は、20~30%とされています。
淋病と診断され、治療を行っていても予後が悪い場合には、薬剤耐性淋菌の可能性の他に、クラミジアとの同時感染が考えられます。
クラミジアは、性感染症の中でもっとも多い感染者が毎年報告されています。
淋病と比較すると症状が軽いため、男女ともに感染に気づかないのが特徴です。
感染を放置することで、淋病と同様に不妊の原因にもなる病原菌です。
定期的に性病検査を行う際には、淋病と合わせて検査することをおすすめします。