肥育中の豚にアボカドペーストを与えることによる生産成績への影響
(ピッグジャーナル2015年3月号記載)
肥育中の豚にアボカドペーストを与えることによる生産成績への影響
Effect of the addition of fresh avocado paste in feeding pigs on productive performance traits
1.序論
栄養面において、より効率的で経済的な高栄養な豚の飼料を作るため大きな努力がなされている。その1つとして飼料に普段用いないものを組み込むことがある。アボカドは脂肪酸またはステロールの源としてフェノール化合物や抗酸化物質を有しているという報告があり注目されている。最近の報告では、20%大豆飼料にアボカドの果肉、種子、皮を混ぜたものを肥育中の豚に与えたとき、飼料の消化率が86.91%となり、その飼料を豚が摂取を拒むことはしなかったとされる。豚の飼料にオレイン酸を多く含むアボカド果肉を与えると飼料効率が改善され、不飽和脂肪酸プロファイルが変化し、動物性タンパク質の質がよくなった。なぜなら、成長や脂肪蓄積の生理的過程でアボカド果肉成分が変化し肉質がよくなるためである。そこで、本試験では飼料にアボカド果肉を加えることによって肥育中の豚の生産成績を評価することを目的とて実施した。
2.材料と方法
個体数:8頭
品種:ハイブリッドヨークランドレース
性別:去勢豚
二重ラテン方格法によって無作為に割り当てた。 異なる混合度のアボカドペーストを加えることによって生産成績と消化率への影響を評価した。
品種:ハイブリッドヨークランドレース
性別:去勢豚
二重ラテン方格法によって無作為に割り当てた。 異なる混合度のアボカドペーストを加えることによって生産成績と消化率への影響を評価した。
3.結果
豚はアボカドペーストのどの濃度においても飼料を摂取した。 30%のアボカドペーストを含んだ飼料を与えた豚において、他の濃度に比べて生産効率の向上が明らかに認められた(表2)。
4.結論及び考察
30%アボカドペーストを含んだ飼料を与えた豚において、週間増体重、飼料変換率および飼料効率が向上した。これはアボカド由来の不飽和脂肪酸をより多く含んだ高脂質飼料によって飼料中のタンパク質の利用を向上させ、利用可能なエネルギーをより多く摂ることができたためと考えられる。
消化率においては4つの濃度ともに同じ結果を示したため、これによってアボカドペーストを30%まで含む飼料が効果的であったと考えられた。
普段は用いない飼料であるアボカドペーストを用いることにより、肥育中の豚における生産成績を向上することが証明された。そして脂質プロファイルの修正や、アボカドの皮や種子に含まれると報告されているフェノール化合物によって、肉の品質と酸化安定度を改良することができるかもしれない。
消化率においては4つの濃度ともに同じ結果を示したため、これによってアボカドペーストを30%まで含む飼料が効果的であったと考えられた。
普段は用いない飼料であるアボカドペーストを用いることにより、肥育中の豚における生産成績を向上することが証明された。そして脂質プロファイルの修正や、アボカドの皮や種子に含まれると報告されているフェノール化合物によって、肉の品質と酸化安定度を改良することができるかもしれない。
5.一言
豚の飼料にアボカドを加えることによって豚の生産成績の向上に加え、豚肉に付加価値をつける面白い論文である。通常用いていないものを与えることによって顧客の関心を引き、そして生産成績にも良い結果となれば、養豚にとってはプラスとなることである。他にも飼料として用いることで豚の生産成績を改善するものがあるかもしれないので、今後もこのような研究に注目したい。
Proceedings of the 23rd IPVS Congress ,Cancum,Mexico-June 8-11 ,2014 P.685