アニマルウェルフェアについて
アニマルウェルフェアについて
アニマルウェルフェアとは、「動物がその生活している環境にうまく対応している態様をいう。」事と
世界の動物衛生の向上を目的とする政府間機関である国際獣疫事務局(OIE)の勧告において定義されています。また、「5つの自由」が国際的に認知されています。
5つの自由とは
①. 飢えおよび渇きからの自由(給餌・給水の確保)
②. 不快からの自由(適切な飼育環境の供給)
③. 苦痛、損傷、疾病からの自由(予防・診断・治療の適用)
④. 正常な行動発現の自由(適切な空間、刺激、仲間の存在)
⑤. 恐怖および苦悩からの自由(適切な取扱い)
であり、この自由を満たせているかどうかがアニマルウェルフェアの状況を把握するうえで役立つ指標とされています。
アニマルウェルフェアは動物のためであることはもちろんですが、畜産業界においてもアニマルウェルフェアを実践する(日々の動物の観察や記録、家畜の丁寧な取り扱い、良質な飼料や水の給与等)ことで動物のストレスを減少させて健康を維持し、その結果、家畜の本来持つ能力を発揮させることによって畜産成績の向上につながると考えられています。
では、実際にどのようなことをすればよいのか、例えば農林水産省のホームページ内で以下のように現場での実践例が挙げられています。
①.家畜にとって快適な温度を保つ
(具体例)・ミストの噴霧と換気扇による畜舎の冷却、
・保温性に優れたジャケットを子牛に着用させる、
・ガスストーブによるひよこの保温
②.良質な飼料や水の給与
(具体例)・良質な牧草の給与、
・飼槽や水槽のチェックや清掃、
・群内の争いを極力減らすために一度に多くの個体が食べたり飲んだりできる
給餌器や飲水器を使用する
③.飼養スペースの適切な管理・設定
(具体例)・天井からの採光や換気扇の設置、
・牛舎にカウブラシを設置する、
・おが屑を床に撒いて畜舎の清潔さを保つ
もちろんこれがすべてではなく、それぞれの畜舎にあった様々な方法があると思います。
動物のためというのはもちろんですが、みなさんのためにもアニマルウェルフェアについて考え、
それぞれにできる範囲の中で実践されてみてはいかがでしょうか。