味に関わるおいしい話③ アミノ酸(タンパク質構成アミノ酸と遊離アミノ酸)について

~アミノ酸について~

うま味成分「グルタミン酸」がアミノ酸の一種であるように、うま味とアミノ酸は深い関係があります。
アミノ酸は、分子内に酸性基であるカルボキシル基(-COOH)と塩基性基であるアミノ基(-NH2)を有する化合物の総称です。アミノ酸はペプチド結合(-CONH-)することにより、二つのアミノ酸が結合したジペプチドから多数結合したタンパク質まで各種化合物の構成要素となっています。

アミノ酸は生体内では通常、タンパク質の構成成分として存在していますが(タンパク質構成アミノ酸)、一方で、アミノ酸単体で遊離した状態で存在するものもあり、これを「遊離アミノ酸」と呼びます。


~タンパク質構成アミノ酸~

タンパク質はヒトのカラダにおいて重要な構成要素です。一般的に筋肉・皮膚・毛・爪・骨など身体を構成している主成分もタンパク質です。
タンパク質を構成する20種のアミノ酸のうち、9種類は体内ではほとんど合成されないため、食物として摂取する必要があります。これらを必須アミノ酸と呼んでいます(図1)。
栄養成分としてのアミノ酸について調べたい場合はタンパク質構成アミノ酸に着目します。

図1タンパク質を構成する20種類のアミノ酸.png

図1 タンパク質を構成する20種類のアミノ酸


~遊離アミノ酸~

体内では、タンパク質を構成しているアミノ酸のほかに、細胞や血液中などに蓄えられているアミノ酸もあります。これらは単体のアミノ酸として存在しているため、「遊離アミノ酸」と言われています。
生体内のタンパク質構成アミノ酸と遊離アミノ酸の割合を比較すると、遊離アミノ酸の方が圧倒的に割合は低いですが、舌の味蕾に接触して味を伝達するのはアミノ酸であり、うま味を分析するためには遊離アミノ酸に着目します。


~遊離アミノ酸分析~

弊社では、うま味成分である(遊離)グルタミン酸の分析を行っております。
相談等も承りますので、お気軽にお問い合わせください。
 → 「遊離グルタミン酸検査」


<まとめ>
・アミノ酸は、分子内に酸性基であるカルボキシル基(-COOH)と塩基性基であるアミノ基(-NH2)を有する化合物の総称です。
・アミノ酸にはタンパク質構成アミノ酸と遊離アミノ酸があります。
・栄養成分としてのアミノ酸について調べたい場合はタンパク質構成アミノ酸に着目します。
・うま味としてのアミノ酸を調べたい場合は遊離アミノ酸に着目します。

参考資料

アミノ酸ハンドブック 味の素株式会社 編  工業調査会
はじめの一歩のイラスト生理学 照井直人 羊土社
日本うま味調味料協会
https://www.umamikyo.gr.jp/knowledge/umami_oishisa.html


『うまみ成分検査』については、こちらをご確認ください。
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