味に関わるおいしい話① 味覚とは?

~味覚とは 5つの基本味~

私達は普段から、食事をする中で様々な食べ物の味を感じています。
食べ物を口の中に入れたときに感じる感覚のことを、「味覚」と言います。
味覚は以下5つの基本味から構成されています。
塩味「しょっぱい」、甘味「甘い」、酸味「すっぱい」、苦味「苦い」、うま味「うまい」
それぞれの味覚を引き起こす物質として知られているのは、
塩味「ナトリウムイオン」、甘味「糖」、酸味「酸」、苦味「キニン」、うま味「グルタミン酸」
…などが挙げられます。
※かつて、「うま味」は味として認知されておらず、西洋では長く塩・甘・酸・苦の「4基本味」説が支持されていましたが、現在「うま味」は、日本だけでなく世界的にも「UMAMI」として認知されています。
また、辛味は味細胞ではキャッチされないため、「辛い」は味覚には含まれていません。辛味は温覚や痛覚などの「感覚」を刺激して「総合的に感じる」ものとなっています。

 

~味覚とは 味を感じるしくみ~

図1 味を感じるしくみ

味を感じるしくみを図1に示しました。
まず、食べ物や飲み物に含まれる「化学物質(味物質)」が口の中に入ると、舌に触れます。
舌の上や側面には、乳頭と呼ばれるざらざらとした多数の突起があり、乳頭の中には「味蕾」と呼ばれる受容器が1~5個ほど存在しています。味蕾は味感知センサーの役割を果たし、ヒトの舌には約5000個あると推定されています。味蕾は約50~150個の「味細胞」から構成されており、味細胞の表面には味覚受容体が存在します。化学物質と味覚受容体は鍵と鍵穴のような関係になっており、接触する化学物質がある一定以上の濃度になると、信号として脳に伝えられ、私たちは味を認識します。
味細胞は口の中で常に熱や刺激にさらされているため、ダメージを受けやすく、約10日ごとに新しい細胞と置き換わっています。
かつては「味覚地図」といって、5つの味を感じる場所は舌の部位ごとで決まっていると言われていましたが、現在では、どの味蕾にも5つの味に対応する味細胞が存在していて、各味細胞から情報が脳に送られているため、5つの味は舌のどの部分でも感じられることがわかっています。

 

~遊離アミノ酸分析~

弊社では、うま味成分である(遊離)グルタミン酸の分析を行っております。
相談等も承りますので、お気軽にお問い合わせください。

 

<まとめ>
・味覚は塩味・甘味・酸味・苦味・うま味の5つの基本味から構成されています。
・食べ物や飲み物に含まれる「化学物質」が舌の上に存在する「味蕾(味細胞)」に受容され、信号として脳に伝えられることで味が認識されます。

 

参考資料
アミノ酸ハンドブック 味の素株式会社 編  工業調査会
はじめの一歩のイラスト生理学 照井直人 羊土社

 


『うまみ成分検査』については、こちらをご確認ください。
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