異臭検査について

消費者が過去の経験や期待から、対象食品の味やにおいがインプットされている場合、「通常の食品のにおい」から逸脱すると「異臭」と判断されます。
消費者の感じ方による異臭は、以下のように3つに分類することができます(氏田, 2010)。

Ⅰ:食品に由来する要因が想像できる異臭
 変敗などの品質劣化が想像できる異臭で、当該食品との関係を何となく想像し結びつけることができます。
Ⅱ:消費者が原因を想像しにくい異臭
当該食品と異臭が結びつかず原因を想像しにくいもの
Ⅲ:食品外の要因が想像できる異臭。本来食品が持たない成分の付着・混入が想像できる異臭

 弊社で実施している異臭検査一斉150成分の「においの特徴」を基に、消費者の感じ方による異臭の区分を作成しました(図1)。異臭品の多くは、図1のどこかに分類できると思います。
 弊社では、液相コーティングしたファイバーに異臭成分を吸着し(SPME法もしくはSPME-Arrow法)、加熱脱着によりガスクロマトグラフタンデム質量分析装置(GC/MS/MS)に導入後、既知検量線から異臭成分の濃度を求めます。さらに定量結果を閾値(一般的な嗅覚のヒトが感じられる臭いの最小値)で除して「臭い強度」という単位で異臭結果を評価することが大きな特徴となっています。
 最後に、人の臭いに対する感覚には個人差があります。さらに感じた感覚を言葉で表現するには、個々に特有な感性が生じます。実際の異臭原因が消費者の感覚と必ずしも一致するわけではありませんが、弊社では顧客の感覚や要求事項に向き合い、過去の実績やノウハウから異臭問題の解決を目指しています。

異臭一斉検査(150成分)のご依頼はこちらから
https://form.k3r.jp/shokukanken/ishu1n

異臭図1
図1 弊社で実施しているにおいの特徴を基に分類した異臭の区分

【参考文献】
氏田勝三: 食品の異臭苦情について ─日本生協連に寄せられる異臭苦情の状況と取組─, におい・かおり環境学会誌, 41巻6号, 372-383 (2010)

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