豚のレバ刺しを食べるのは危険?いつから禁止になったの?|E型肝炎への感染リスク
2015年6月より豚のお肉や内臓を「生食用」として販売・提供することが禁止へ
2015年6月より、食品衛生法に基づき豚のお肉や内臓を「生食用」として販売・提供することが禁止されました。
この決定に関わる問題の一つが、E型肝炎への感染リスクです。
豚のお肉やレバーなどの内臓は生で食べず、中心部まで十分に加熱して食べましょう(厚生労働省HPより引用)。
E型肝炎とは?
E型肝炎ウイルス(HEV)に感染することによっておこる急性肝炎です。ウイルス性肝炎としては唯一の人獣共通感染症であり、ブタやイノシシ、シカといった動物からヒトへの感染が確認されています。HEVは急性肝炎を引き起こし、黄疸、食欲不振、肝臓の腫大、発熱等の症状がみられ、致命率は1~2%とされています。一方で、感染しても無症状の場合も多く、慢性化することも少ないとされています。
ブタに感染した場合、無症状であることがほとんどで、本ウイルスはブタに対し病原性が低いと考えられています。
E型肝炎ウイルス(HEV)の問題とは?
HEVが大きな問題となりうるのは、妊婦への感染です。妊娠中の女性ではE型肝炎が劇症化するリスクが高く、致死率が20%にも上るため、特に注意が必要です。
日本はE型肝炎の非流行地域であり、主な感染者は発展途上国への旅行者に限られていたことから、E型肝炎は輸入感染症であると考えられてきました。しかし、近年渡航歴のないヒトでの国内発症例が散見されることや、日本の健常人を対象にした調査で抗HEV抗体保有率が平均5.4%であったことから、日本にもE型肝炎が浸潤していることが示唆されています。具体的な感染経路としては、生や加熱不十分の豚肉やイノシシ肉、シカ肉等のジビエ肉を食べた人が感染した事例が報告されています。
HEVは、調理時に十分加熱(中心部の温度が63度で30分間以上、または75度で1分間以上)することで感染性を失います。また、生の肉類と加熱済みの肉類は分けて取り扱いましょう。取り扱う箸や皿も区別して使用するようにしましょう(厚生労働省HPより引用)。
以上のような基本的な感染対策をとれば、豚肉を安全に美味しく食べることができます。
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