細菌とウイルスの違いについて、知っていますか?

細菌とは

細菌は細胞核を持たない原核生物であり、細胞壁、細胞膜、核酸、リボソームなどで構成されています。
大きさは1~10 μm程度と小さいため肉眼では確認することができませんが、光学顕微鏡を用いて観察することができます。適切な栄養分や水がある環境下では細胞分裂により自己増殖します。細菌の中には乳酸飲料や発酵食品などに使用される有用菌もいれば、感染症などを引き起こし人に害を及ぼす菌もいます。細菌を原因とする感染症には、細胞壁の合成や増殖を阻害することにより細菌を死滅させたり、増殖を抑制する働きがある抗生物質を使用することで治療できます。
 

ウイルスとは

ウイルスは細胞構造を持たず、核酸とそれを覆うタンパク質の殻で構成されています。
大きさは10~100 nm程度と細菌の1/10以下で非常に小さいため、観察には電子顕微鏡を用いる必要があります。また、細菌と異なり自己増殖ができないため、他の生物を宿主として細胞に入り込み、その細胞の機能を利用して増殖します。このように細菌とは異なる構造を持つため、ウイルスを原因とする感染症には抗生物質は効果がありません。インフルエンザウイルスやヘルペスウイルスなど特定のウイルスに有効な抗ウイルス薬は、ウイルスが細胞に侵入・増殖したり、細胞外へ放出されるのを阻害することで効果を発揮します。しかしながら、ウイルスは構造がシンプルであるため薬のターゲットを定めにくく、また宿主の細胞に影響を与えずにウイルスのみに作用する薬を開発することが難しいため、ノロウイルスやRSウイルスといった多くのウイルス感染症には有効な治療薬がありません。加えて、ウイルスは変異しやすいという特徴も治療薬の開発が難しい要因となっています。
 
 

出典:「細菌とは何ですか?」(農林水産省)
 
 
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