水道水はそのまま飲める?|PFAS(水質管理目標設定項目)の検査方法

私たちの暮らしに欠かせない水道水。
蛇口をひねれば当たり前のように出てくる水道水は、本当にそのまま安心して飲めるのでしょうか?
近年、水質の安全性に対する関心は高まっており、特に「PFAS(有機フッ素化合物)」と呼ばれる物質への注目が集まっています。

 
日本においては、水道水の水質管理は水道法に基づき非常に厳格に行われており、51項目の水質基準が設定されています。
PFASについては、現在「水質管理目標設定項目」として、その濃度目標値が定められています。
こちらのコラムでは、PFASのなかで代表的な物質とされる「PFOS」および「PFOA」の検査方法についてご紹介します。

 

水質管理目標設定項目の検査方法(LC/MS/MS法)

国内では2020年に環境省が水質管理目標設定項目(水道水中での検出の可能性があるなど、水質管理上留意すべき項目)として【ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の量の和として0.00005 mg/L以下(暫定)】とし、検査方法については固相抽出-液体クロマトグラフ-質量分析法となっております。

 

液体クロマトグラフ-質量分析

高速液体クロマトグラフ質量分析計とは
HPLC(高速液体クロマトグラフ)の分離能力とMSMS(質量分析計)を組み合わせて分析することができる機械です。
液体クロマトグラフで色々な化合物を分離して、質量分析計で分子量や構造に関する必要な情報を集めて測定したい化合物を正確に量ることができる装置です。

 

PFOS・PFOAの検量線及びクロマトグラム


PFOS


PFOA

検量線とは、縦軸にシグナル(面積)、横軸に濃度として既知(測定対象物質)の濃度の液体を、濃度を変化させて測定し、得られたシグナル(面積)をグラフにしたものです。
未知(測定対象物質)の液体を測定し、得られたシグナル(面積)とグラフを比較することによって、未知の液体に含まれる測定対象物質の濃度を求める手法です。

クロマトグラムとは信号強度の時間変化を記録したチャートで、ここでは=シグナル(面積)として記録しています。

内部標準液は複雑なマトリックス中での定量をより正確に行うことができ、分析精度を向上させる手段として使われています。

 

PFAS(水質、血液、畜水産物)

 

 

参考文献;
環境省ホームページ
水質基準項目と基準値(51項目) | 水質基準項目と基準値(51項目) | 環境省

youtube