腸球菌とは?|食品衛生法に基づく製造・規格基準について

腸球菌とは

腸球菌(Enterococcus )は通性嫌気性グラム陽性の球菌で、50菌種程度が分類されています。10~45℃以上と幅広い温度で発育することができ、6.5%の食塩が存在する環境やpH9.6の環境でも発育することが可能です。また、60℃30分の加熱にも耐えうるという特徴があります。
人や動物の腸管内に広く分布している一方で、土壌や水などにおける分布は大腸菌群に比べて少なく、自然界での増殖率も低いことから環境衛生管理上の汚染指標菌とされています。また、凍結、乾燥、高温等の条件下でも比較的生存率が高く、水環境での生存期間も長い傾向にあることから、食品の衛生的な取り扱いを評価する衛生指標菌としても利用されています。
病原性は弱く、健康な人では通常問題になりませんが、免疫力が低下している場合には感染症を引き起こすことがあります。1980年代からはバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)が出現し、医療現場で問題となっています。
 

腸球菌の製造・規格基準について

食品衛生法に基づく「食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)」において、ミネラルウォーター類の製造に使用する原水については、腸球菌陰性という製造基準が設けられています。また、ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行わないもので、容器包装内の二酸化炭素圧力が 20℃で 98kPa 未満のものにあっては、腸球菌が陰性でなければならないとされています。
 
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