PFASについての基準値の算出

前回のコラムではPFASの毒性の評価の実際について解説をしましたが、基準値を設定した詳細な背景について解説をします。
 
詳細は下記の様に耐容一日摂取量(TDI)評価をしています。
なお、耐容一日摂取量(TDI:Tolerable Daily Intake)とは、人が一生涯にわたり摂取しても健康に対する有害な影響が現れないと推定される体重1kg当たりの1日当たり摂取量。
 

PFOS

  • PODとしては、ラット2世代生殖・発生毒性試験でみられた児動物における体重増加抑制 のNOAELである0.1 mg/kg体重/日を採用
  • EPA、FSANZ、ATSDRが算出したPODHEDである0.0005~0.0006 mg/kg体重/日 (500~600 ng/kg体重/日)を採用
  • 不確実係数は30(種間不確実係数:3、種内不確実係数:10)
  • 以上から、PFOSの健康影響の指標値として、20 ng/kg体重/日(2×10-5 mg/kg体重/ 日)とすることが適当と判断
     

    PFOA

  • PODとしては、マウス生殖・発生毒性試験でみられた胎児の前肢及び後肢の近位指節骨の 骨化部位数の減少、雄の児動物の性成熟促進のLOAELである1 mg/kg体重/日を採用
  • EPAが算出したPODHEDである0.0053 mg/kg体重/日(5,300 ng/kg体重/日)を採用
  • 不確実係数は300(種間不確実係数:3、種内不確実係数:10、LOAELを用いることによ る不確実係数:10)
  • 以上から、PFOAの健康影響の指標値として、20 ng/kg体重/日(2×10-5 mg/kg体重/ 日)とすることが適当と判断
     

    PFHxS

    評価を行う十分な知見は得られていないことから、現時点では指標値の算出は困難であると判断
     
    上記のTDIと1日の摂取量等を考慮し、基準値を設定しております。
     
    ただし、将来的に、科学的知見が集積してくれば、TDI を見直す根拠となる可能性はある事を明治しており、状況としては食品を通じて摂取するPFOS・PFOAの一日あたり平均摂取量は、TDIと比較すると 低い状況であることにも言及をしております。
     

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