卵アレルギーの症状は?赤ちゃんや乳幼児だけでなく大人も発症

卵アレルギーとは、乳幼児期に最も頻度が高く発症する食物アレルギーです。大人であっても体調の変化や特定のきっかけで発症することもあります。
卵アレルギーは、主に卵白に含まれるタンパク質に対して免疫機能が過剰に反応することでおこります。
 
卵アレルギーがある場合、摂取してから30分~2時間以内に症状が出ることが多いとされ、主には「皮膚」「呼吸器」「消化器」「神経・循環器」に症状が現れます。
最もよくみられる症状は蕁麻疹などの「皮膚」症状ですが、重篤な症状である「アナフィラキシーショック」が起きる可能性もあるため、卵アレルギーが疑われる場合には医療機関で検査をするなど対策をとることが重要です。
 
当記事では、卵アレルギーの症状やインフルエンザワクチンとの関係、治療法、注意すべき食品やポイント、症状を出さないための対策などを解説していきます。
 
※卵アレルギーの症状がみられた際には適切な処置が必要になることもあります。アレルギーが疑われる場合には、すぐに医師に相談するようにしてください。

 

卵アレルギーの主な症状|食後30分~2時間以内に症状が出ることが多い

卵アレルギー症状

 

卵アレルギーの原因は、卵に含まれるタンパク質(主に卵白に含まれるオボアルブミンなど)です。
体の免疫システムが、卵に含まれるタンパク質を「体に害を及ぼす異物(敵)だ」と判断して過剰に反応することで起こります。
 
卵アレルギーがある場合、食べてから30分~2時間以内に症状が出ることが多いとされ、主に「皮膚」「呼吸器」「消化器」「神経・循環器」に症状が現れます。場合によっては「アナフィラキシーショック」と呼ばれる重篤な症状が起こるおそれもあります。
 
卵アレルギーは乳幼児の発症が多いですが、大人になってから発症する可能性もあるため注意が必要です。
卵を食べたあとに以下のアレルギー症状がみられた場合、医療機関を受診するようにしてください。

蕁麻疹などの皮膚症状

卵アレルギーの症状で、最も多く見られるのが皮膚の症状です。
 
・蕁麻疹
・湿疹
・赤みやかゆみ
・まぶたや唇の腫れ

咳や鼻水などの呼吸器症状

・咳
・鼻水
・くしゃみ
・喉の違和感
・喘鳴(ぜんめい)
呼吸をするときに、ゼーゼー、ヒューヒューなどと音がする

腹痛などの消化器症状

・腹痛
・下痢
・嘔吐

顔面蒼白などの神経・循環器症状

・顔面蒼白(がんめんそうはく)
顔から血の気が引き、真っ白、または青白くなる
・手足が冷たくなる
心臓に血液を戻そうとするため、手足の先が冷たくなる
・意識混濁・意識障害
呼びかけに対する反応が鈍くなる、ぼーっとする

アナフィラキシー

重症の場合、アナフィラキシーとよばれる複数の臓器(皮膚と呼吸器など)にまたがって全身に激しい症状が出ることがあります。
さらに血圧低下や意識障害を伴うものは「アナフィラキシーショック」と呼ばれ、命に関わることもあるため一刻も早い救急受診が必要です。

 
 

大人になってからも発症する卵アレルギー

卵アレルギーは、乳幼児期だけでなく、大人になってからも発症することがあります。
 
卵アレルギー赤ちゃん乳幼児大人

 

乳幼児期の卵アレルギー

卵アレルギーは、乳幼児期に発症する食物アレルギーの中で最も頻度が高いものです。
成長とともに消化・免疫機能が整うことにより、小学校に入学する頃には約7割〜8割の子供が耐性を獲得し、卵を食べても症状が出なくなる(自然に治る)といわれています。
 

大人の卵アレルギー

卵アレルギーは子供のアレルギーと思われがちですが、大人になってから発症するケースも少なくありません。
過去に問題なく卵を食べられていた人であっても、体調の変化や特定のきっかけで発症することがあります。
大人が発症した場合、乳幼児期の発症とは異なり、成長による消化・免疫機能の成熟を期待することができません。
そのため、大人になってからの発症は、自然には治りにくい傾向があるとされています。

 
 

卵アレルギーとインフルエンザワクチン

現在、日本で使われているインフルエンザワクチンの多くは、鶏の卵(発育鶏卵)の中でウイルスを増やして作られています。
製造過程で精製されるため、卵の成分は極めて微量(ナノグラム単位)にまで除去されていますが、完全になくすことは難しいため、重篤なアレルギーがある方には注意が呼びかけられています。

軽症の場合

卵を食べたときの症状が軽症であれば、ほとんどの場合、問題なく接種可能です。
近年のワクチンは精製技術が非常に高いため、ワクチンに含まれる微量なタンパク質では症状が出ないことが一般的です。
しかし、自己判断は危険です。必ず医師に相談しましょう。
 

重症の場合

過去に卵でアナフィラキシーショックを起こしたり、非常に強い症状がでている場合は、より慎重な判断が必要です。
重症度によっては、医師と相談のうえ、接種を見合わせたり、万が一の事態に備えた設備が整った医療機関での接種を検討したりすることが重要です。
 
※ご自身の症状が軽症なのか重症なのかは自己判断せず、医師に必ず相談するようにしましょう。
 
 

卵アレルギーの治療法

卵アレルギー治療法

 

乳幼児の治療方法

乳幼児期は、成長とともに自然に治る(耐性を獲得する)可能性が高く、将来的に食べられるようになることを目標に治療がおこなわれます。
治療において重要視されているのが、「必要最小限の除去」という考え方です。
微量を口にしただけでアナフィラキシーを起こす場合には、食事から完全に除去する必要があります。
しかし、症状が軽い場合には、「卵をすべて避ける」のではなく、医師の管理のもと加熱時間や調理方法を工夫しながら、安全に食べられる量を少しずつ増やしていきます。
治療は自己判断ではおこなわず、必ず医師の指導のもと進めていくことが不可欠です。
 

大人の治療方法

大人は、乳幼児のように成長による自然治癒が期待しにくいとされています。
そのため、治療は医師と相談して決めた「必要最小限の除去」を基本としつつ、症状の重さにより「原因食物(卵)の徹底した回避」がおこなわれます。具体的には、代替食を賢く活用して食の質を維持するほか、万が一の誤食に備えて抗ヒスタミン薬などを常備します。
また、アナフィラキシーの既往がある場合は、医師から処方された自己注射薬「エピペン」を常に携帯するなど、迅速な対応ができる準備が求められます。

 
 

卵アレルギー|注意する食べ物の例

卵アレルギー注意する食べ物
 
卵アレルギーの場合、卵そのものだけでなく、加工食品の中に「隠れアレルゲン」として含まれている場合があるため原材料表示の確認が欠かせません。
 
【主食・パン】
菓子パン、総菜パン、麺類(卵麺、パスタ)、チャーハンなど
 
【おかず】
お惣菜(ハンバーグやつくねなど)、揚げ物の衣、かまぼこ・ちくわなどの練り製品、ハム・ウインナーといった食肉加工食品など
 
【ソース・調味料】
マヨネーズ、タルタルソース、ドレッシング、カスタードクリームなど
 
【お菓子、デザート】
ケーキ、クッキー、プリン、アイスクリームなど
 
 

卵アレルギー|注意すべきポイント

上記にあげた食品以外にも、調理の仕方や成分の性質によって注意すべきポイントがいくつかあります。
 

加熱による「アレルギーの強さ」の変化

<生・半熟に注意>
卵は加熱の度合いによって、アレルギーを引き起こす力が変化します。
しっかり茹でた「かたゆで卵」が食べられたとしても、生卵や半熟卵(温泉卵、半熟オムレツなど)で症状が出ないとは限らないため注意が必要です。
 
<加熱が不十分な加工品>
プリンやカスタードクリーム、ババロアなどは、製造工程での加熱が不十分な場合があります。これらを食べる範囲については、自己判断せず必ず専門医に相談しましょう。
 

「卵白」と「卵黄」の違い

卵アレルギーの原因物質(アレルゲン)の多くは、卵黄よりも卵白に含まれるタンパク質です。 ただし、卵黄と卵白を完全に分けることは難しいため、特に重症の方は「卵黄なら大丈夫」と過信せず注意が必要です。
 

「スープ」や「汁物」に溶け出す成分

卵のタンパク質は水に溶けやすい性質を持っています。 例えば、かき玉汁やスープから卵の具だけを取り除いても、成分は汁の中に溶け出しています。「具を避ければ大丈夫」と思わず、調理過程で卵が使われている汁物自体を避けるのが安全です。
 

医薬品に含まれる「リゾチーム」

食べ物だけでなく、薬にも注意が必要です。
一部の風邪薬や炎症を抑える薬には、卵白由来の成分である「リゾチーム」が含まれていることがあります。 病院での処方時やドラッグストアで市販薬を購入する際は、必ず医師や薬剤師に卵アレルギーがあることを伝えることが必要です。
 
 

卵アレルギーによる症状を防ぐため

卵アレルギーによる症状を防ぐためには、以下の対策を心がけましょう。

医療機関で正確な診断を受ける

自己判断せず、病院(内科・小児科・アレルギー科など)で血液検査や皮膚テストを行い、自分がどの程度の卵アレルギーなのか(加熱すれば食べられるのか、完全に除去が必要なのか)を確認しましょう。
 

原材料表示を必ず確認する

市販の加工食品を購入する際は、パッケージの原材料表示を見て卵が含まれていないかチェックしてください。パンやマヨネーズ、お菓子など、意外な食品に卵が使われていることがあります。
 
 

まとめ

卵アレルギーの症状は軽度なものから重度なものまで様々です。
主な症状として、「皮膚症状」「呼吸器症状」「消化器症状」「神経・循環器症状」が現れますが、「アナフィラキシーショック」という重篤な症状が出ることもあり注意が必要です。
卵アレルギーは乳幼児期に多くみられますが、大人になってからも発症することもあります。
卵アレルギーが疑われる場合は、速やかに医療機関で検査を実施しましょう。
また、卵アレルギーと判明した場合には、適切な治療を受けたり、食品表示をしっかり確認し食事をするようにしていきましょう。

 

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