薬剤耐性の危険性を把握しよう!!

近頃サーコワクチンの使用等によって全体的な事故率の軽減が見込めるようになってきましたが、その一方で、レンサ球菌、大腸菌、コリネ、レプトスピラ、サルモネラ等の細菌性の疾病の増加が問題になって来ています。
豚の体力が回復し、関与する疾病の複雑性が少なくなってきたこともあり、現場サイドでの薬剤の効果がはっきり見えるようになっている傾向もあります。
しかし、このことがあってか以前よりも薬剤の使用量や使用薬剤の種類が増加してきています。
今後新たな疾病群の発生、強い細菌群の育成、事故率の増加、食品事故の発生等を起こさないようにするためにも、生産現場での薬剤の有効的な利用方法について考えていきたいと思います。

 

薬剤剤の有効的な利用とその考え方

 

  • (1) 薬剤プログラムの選定。必要な薬剤と不必要な薬剤の選定。
  • (2) 農場の状況によっては、未経産豚、種豚(♂♀)への対応が重要。ここの対応が以外に行われていない。
  • (3) 担当者は副作用の存在も知る事が重要。
    薬品の種類によっては、嘔吐、震え、貧血(造血作用低下)、流産、腎・肝機能低下等が起こる事がある。
    投薬量が多い場合や多薬剤の組合せにも注意。相乗効果だけではなく拮抗作用も強い。
  • (4) 担当者は必ず目的を持って利用する。
    使用理由を曖昧にはしない事。
  • (5) 薬剤の血中濃度は期待ほど持続しない。
    投薬終了後の消失は早い。遅れた治療や早めの予防投薬等は無駄になってしまう事が多い。
  • (6) 薬剤効果は諸条件によって上下する。
    健康状態、投薬方法(飼料、飲水、強制経口、腹腔内、皮下、筋肉)、投薬期間(連続、間歇、トップドレス)、投薬濃度、接種針、保管方法、丁寧さと雑さ。
  • (7) 薬剤毎に耐性菌出現が容易なものと耐性菌が出現しにくいものがある。低濃度投薬、規定濃度以上の高濃度投薬、長期間の投薬等は耐性菌出現の温床になる。
  • (8) 薬剤の不用意な組合せはしない。
    多薬剤としての使用は、相乗効果だけではなく拮抗作用も起こる危険性がある。
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