食中毒予防3原則について

温度湿度があり、栄養が加わると、カビや細菌は短時間で発育します。全てのカビや細菌が我々を脅かす存在ではありません。当然人々に役立つカビや細菌も多いのですが、梅雨時期から夏場にかけて食べ物に生えてくる細菌は食中毒の原因となる事が多いので注意が必要となります。

わが国での食中毒は食中毒菌や食中毒菌の出す毒素に汚染された食品を食べることなどによって起こる中毒症状が多く、微生物の中でも細菌が原因となる「細菌性食中毒」は高温多湿の梅雨期から9月にかけてはもっとも発生が増える時期です。

また微生物の中でもウイルスが原因となる「ウイルス性食中毒」(主にノロウイルス)は冬場の12月から2月にかけてもっとも発生が増える時期です。全国の保健所に届けられる食中毒は年間約2000件、患者数は約2万〜3万人です。年々、衛生好きなこの国では除菌等の衛生グッズや衛生環境は年々向上しているはずなのに、食中毒の発生や患者数がほとんど横ばいなのは、食品の大量生産と流通規模の拡大と深い関わりがあります。

ごく一部の家畜が保有している病原菌や一部地域の細菌性やウイルス性の病気が交通の発達により、あっという間に世界中に拡散してしまうからです。食糧の多くを海外からの輸入に頼っている日本では、食品といっしょに、海外の食中毒菌が輸入されるケースもめずらしくありません。

技術が進歩する一方、技術への過信から生じる、保存管理などのミスが落とし穴になることもあります。さらに、調理済み食品の普及により、いつでもどこでも食事ができるため、手洗いの習慣に対する意識が薄れてきたことも原因のひとつとされています。

一般的に食べ物に微生物が生育し食中毒になるのを防ぐ方法を、「食中毒予防3原則」といい、微生物を「付けない・増やさない・殺す」ことを言います。この食中毒予防3原則をどのように守るかを要とした「食中毒予防の6ポイント」を厚生労働省は平成9年に通知文書を出しています。食中毒菌は、水や土、動物など我々の身の周りのどこにでも存在しています。しかも、繁殖しても臭いや味には影響しないため、その食品が安全かどうかを判断するのはなかなか困難です。そこで食中毒を予防するために、食中毒予防3原則を守り、実施することが大切となります。

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