サルモネラ食中毒|原因と感染経路、予防するには?

暖かい日が続き、段々と夏の気配も感じられるようになってきましたね。
湿度や気温が高くなるこれからの時期は、細菌による食中毒に注意が必要です。
今回は、細菌性食中毒を引き起こす原因菌の1つである「サルモネラ属菌」についてお話ししたいと思います。
 

サルモネラ(Salmonella)属菌とは

グラム陰性通気性桿菌で、多くが鞭毛を持ち運動性を示します。
分類学的にはS. entericaS. bongori の2菌種に分類され、S. enterica はさらに6つの亜種に分類されています。人と動物に病原性を示す菌株のほとんどは、亜種Ⅰ(S. enterica subsp. enterica)に属します。また、菌体抗原(O抗原)と鞭毛抗原(H抗原)の組み合わせによる血清型分類では2,500以上の血清型が報告されています。
わが国では、1980年代まではS. Typhimurium が食中毒の主な血清型でしたが、近年はS. Enteritidis が主流となっています。また、ブロイラーが多く保菌しているS. Infantis もたびたび食中毒の原因となることがあります。
サルモネラ属菌は河川や土壌などの自然環境や、哺乳類、鳥類、爬虫類など様々な動物の腸管に分布しています。特に牛、豚、鶏といった家畜は腸管内常在菌として保菌しています。
35~43℃で活発に増殖し、乾燥や低温に比較的抵抗性が強いという特徴があります。
 

原因食品

食肉、食鳥肉、鶏卵などの畜産物や、これらの加工品が主な原因食品となります。
過去の食中毒事例では、原因食品として食肉や鶏卵を使用した弁当などが多くみられます。海外では生乳、チーズ、ピーナッツ製品、メロンなどによる食中毒事例も報告されています。
 

症状

一般的には急性胃腸炎症状が多く、嘔吐、腹痛、下痢、発熱などが起こります。通常は1週間程度で回復しますが、ごくまれに敗血症を合併し、ショック症状を引き起こすことがあります。また、他の食中毒原因菌と比較して排菌期間が長いため、汚染拡大に注意が必要です。
 

予防

サルモネラは多くの動物が保菌しているため、畜産物の適切な管理及び調理が大切です。
食肉や鶏卵などは冷蔵庫で低温保存し、調理の際には十分に加熱しましょう(中心温度75℃以上で1分間)。また、前述のとおりサルモネラは乾燥に強いため、調理時の二次汚染防止も重要です。サラダなど生で食べる食品が生肉・卵に触れないように注意し、生肉・卵等を扱った手指や調理器具は洗浄・消毒を行いましょう。このほか、冷蔵庫や施設設備の定期的な消毒や、ネズミやゴキブリなどの侵入対策を行うことも大切です。
 
弊社ではサルモネラの検査を取り扱っております。
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