水って安全?

水は私たちの生活に欠かせないものです。食品関係の会社にとっても水は、飲用・食品への添加・洗浄とさまざまな用途に使用されています。
水は、安全という認識はありませんか。
水は取り扱いを誤ると多大な事故につながります。実際、水道事業者によって管理している水道でも、フェノール類や油などの化学物質の混入やクリプトスポリジウムや赤痢菌による集団食中毒を起こしています。
最近でも猪苗代町で患者数71人となったカンピロバクターによる食中毒が起きました(2006年8月下旬)。この原因は、塩素投入口の詰まりにより、塩素消毒が十分でなかった可能性があったということでした。

食品関係の多くの会社では、多量の水を使用するため水道水に加え、地下水を使用しているところもあります。地下水を使用している会社は自分自身で管理しなければならないため、専門の業者が管理している水道水よりも多くの危険性を含んでいます。
その要因として以下の4点が挙げられます。

  • (1) 浅い井戸のため地下水自体が汚染されている
  • (2) 消毒装置は設置されているが、目詰まりなどにより消毒液が送られていない
  • (3) 消毒装置は正常に作動しているが、消毒液の濃度が規定に達していない
  • (4) 貯水槽自体が汚染されている

しかし、例えば群馬県の条例では、

  • (1) 水質検査を年1回以上行う
  • (2) 常に正常に作動しているかどうかを点検すること
  • (3) 貯水槽は、定期的に清掃すること

と明確に記載されています。つまり管理者自身がそういった内容を知らないため、検査・確認を怠り上記のような不具合が生じてしまうと言えます。

さらに、水自体が定期的に検査をして問題のない状態でも、水の使い方によってさまざまな汚染の原因となります。水は、汚れを落とすとともに、汚れを落とした水や滞留した水によって他の物を再汚染させる危険性があります。

例えば、よく食堂などでボウルをシンクの下に保管しているのをよく見かけます。シンク内で食器を洗えば、その食器はキレイになりますが、下に置いてあるボウルはシンクを伝わって落ちた水や床に落下し跳ね返りにより付着した水により汚染されます。つまり同じ水を通して洗浄と汚染が同時に行われています。
水が汚染を拡散させるという観点から、学校調理場では以前のウェットシステムからドライシステムに変更されてきています。

水は、生命にとって欠かせないものであると同時に、生命を脅かす存在にもなります。食品事業者は再度水について確認してみましょう。

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