「ふきん」 や 「ダスター」 の管理

食中毒の原因は、大きく分けると食材由来、従事者由来、設備・施設由来が挙げられます。
設備がきちんと完備され、施設が最新で、清掃が良くても食中毒を起こしてしまいます。それは従事者の意識に問題があるからです。
従事者が「なぜそれをしないといけないか?」「それをしなければどうなるのか?」がきちんと理解していることが重要となります。そこで従事者に対する衛生教育がポイントとなります。

一般的に家庭での食品衛生も工場の食品衛生も基本は一緒なので、実施するに当たって難しい事が要求されることはありません。しかし、家庭ではきちんと実施されているのに、工場や厨房で実施されていない一例として、「ふきん」 「ダスター」 の取り扱いが挙げられます。

誰が想像しても 「ふきん」 「ダスター」 は、拭いたり、擦ったりすることでその対象をきれいにするために使用するものです。
ところが工場や厨房の 「ふきん」 や 「ダスター」 の取り扱いは、家庭で言えば 「雑巾」 に当たります。この状況ではどの工場や厨房も力を入れて行っている 「手洗い」 も、「ふきん」 「ダスター」 に触れた瞬間に雑菌だらけとなり、行為そのものが無意味なものになってしまいます。

そこで 「ふきん」 「ダスター」 の取り扱いに関して見直す必要性が大いにあると言えます。

まず、「ふきん」 「ダスター」 の洗浄に関して言えば、単に洗剤がけで 「ふきん」 「ダスター」 を洗っても細菌は残存します。洗浄・すすぎ・消毒・乾燥を行ったものでなければ、「ふきん」 「ダスター」 が細菌汚染源となるのです。

また、一般に 「ふきん」 「ダスター」 の寿命は約一ヶ月と言われています。古くなると吸水性が高くなっても、放水性が低下し、繊維の中で細菌が増殖しやすくなります。また、臭いも発しやすくなります。
その状態で使用すると、場所によっては手の数千倍以上の細菌が存在し、どんなに手洗いしても汚染の連鎖をシャットアウトする事ができません。

家庭とは異なり、その使用回数もかなりの数となりますので、サイズは大き目、用途別に色分けし、枚数を決めてサイクル使用する事が重要となります。「ふきん」 「ダスター」 は取り扱いに注意しないと、手同様に移動する汚染源になりかねないので、管理の徹底が工場・厨房の衛生を左右します。

よって、工場や厨房の工場や厨房では、従事者の手洗い教育と同時に 「ふきん」 「ダスター」 の管理についても見直す必要があると思います。

youtube