○○○○は炭水化物の仲間⁉⁉

皆さんは炭水化物が大きく2つに分類されることをご存じでしょうか。
一つは「糖質」です。
糖質はさらに細かく、単糖類、小糖類、多糖類に分類されます。
糖質は生命の維持に欠かせないエネルギー源となる栄養素の一つです(他には脂質、たんぱく質があります)。
糖質が炭水化物に分類され、その役割がエネルギー供給であることはご存じの方が多いかと思います。
ではあと一つ炭水化物に分類されるものは何でしょうか?
それは・・・「食物繊維」です!!!!!
食物繊維が炭水化物だとは意外ですよね。
食物繊維とはヒトの消化酵素で消化吸収されない食品成分のことを言います。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の二種類に分けられ、以下のようなものが挙げられます。

 

表1 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維

物質名所在備考
水溶性食物繊維ペクチン野菜、果物
コンニャクマンナンこんにゃくいも
アルギン酸褐藻類(昆布・わかめ)
カラギーナン紅藻類
難消化性デキストリン飲料、スープ、ゼリーでんぷんから合成
不溶性食物繊維セルロースごぼう、小麦ふすま
ペクチン(不溶性)未熟果実
ヘミセルロース米ぬか、小麦ふすま、トウモロコシ外皮
リグニンココア、豆類、野菜非炭水化物の高分子化合物
キチンえび・かにの表皮、キノコ類動物性食物繊維
寒天(アガー)紅藻類水溶性食物繊維も含む

 

食物繊維の生理作用には
*咀嚼の増加・唾液分泌の促進
*消化管の活発化による整腸作用と便秘予防
*血清コレステロール上昇抑制
*糖吸収の遅延による血糖値上昇抑制
*ナトリウム排出促進による高血圧予防
*有害物質の排出促進による大腸がん予防
*腸内細菌の増殖促進による腸内環境改善
などが挙げられます。

 

今回注目していきたい生理作用は、
*消化管の活発化による整腸作用と便秘予防
*腸内細菌の増殖促進による腸内環境改善
この2点です。

 

検便の提出が必要なお仕事をされている方で、便秘になりやすく、不安を抱えてる方は多いと思います。
では、便秘予防や腸内環境改善に効果的な食物繊維は、1日にどのくらい摂取したらよいのでしょうか。

 

日本人の食事摂取基準2020(厚生労働省)で定められている、目安量は18歳~64歳で男性21g/日、女性18g/日となっています。
しかし、今現在の実際の摂取量は12g/日~14g/日前後であり、男女ともに不足しています。(平成30年 国民健康栄養調査より)
便秘改善のために意識して食物繊維を取ることが望まれます。

 

食物繊維の多い食材を毎日継続して摂取するのは難しいですよね。
便秘気味で、なおかつ普段の食事で野菜・果物の摂取が不足しているという方は、いつもの食事+1品としてバナナ、リンゴなどの摂取がオススメです。また、サラダに海藻をプラスするのも手軽です。

 

朝食はパン派だという方は、ライ麦パンがオススメです。
ライ麦パン1個(72g)で4.0gの食物繊維を摂取できます。
ロールパンだと、1個(31g)で0.6gなので、グラム当たりの食物繊維含有量がライ麦パンのほうが多いことが分かります。

 

食品からの食物繊維の目安量摂取が難しい場合には、サプリメントや健康補助食品をうまく活用して、一日の摂取量を意識的に増やしていきましょう。

 

便秘予防と腸内環境改善を図って、少しでも検便への不安を取り除けたらと思います。

 


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