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食環研コラム

カビ毒とは?


◎ ページ内容 目次
・ 「カビ」と「カビ毒」
・ 食品を汚染するカビ毒
・ カビ毒と農作物の汚染は多種多様
・ ヒトに対する影響
・ カビ毒は家庭で予防できる?
・ 国内における規制


「カビ」と「カビ毒」


 私たちの身の回りには、青カビ、白カビ、コウジカビなど、様々な種類のカビが存 在しています。その例として、みそやしょうゆなどをはじめとする様々な発酵食品があり、これらの食品はカビの力によって生み出されるものです。世界中でも類を見ないほど様々な発酵食品を利用しているわが国は、最も上手にカビを活用している国でもあります。食品以外では、森林の落ち葉を分解して環境浄化や物質循環などに関係するカビもあります。また、ペニシリンなどの抗生物質や酵素製剤など医薬の発展に貢献してきたかびも数多く存在します。
 しかし、カビの一部には、その代謝産物が人や動物の健康に影響を及ぼすものがあり、この代謝産物を「カビ毒」あるいは「マイコトキシン」と呼びます。


食品を汚染するカビ毒


 食品を汚染するカビ毒は現在、300種類以上のカビ毒が知られていますが、わが国で消費される農産物や食品を汚染する可能性がある主なカビ毒には、以下のようなものがあります。

表1 : 農産物や食品を汚染する主なカビ毒

カビ毒名 汚染が確認されている主な農作物や食品 カビ毒を産生する主なカビ
アフラトキシン類
(アフラトキシンB1,B2,G1,G2,M1,M2)
ナッツ類、穀物、乾燥果実、牛乳 Aspergillus flavus@Aspergillus parasiticus
オクラトキシンA 穀類、豆類、果実、コーヒー豆、カカオ Aspergillus ochraceus@Penicillium属
トリコテセン類@(デオキシニバレノール,ニバレノール,T-2トキシン,HT-2トキシンなど) 穀類 Fusarium属
パツリン りんご加工品 Penicillium expansum
ゼアラレノン 穀類 Fusarium属
フモニシン類@(フモニシンB1,B2,B3) とうもろこし Fusarium属
ステリグマトシスチン 穀類 Aspergillus versicolor
シトリニン 穀類 Penicillium citrinum
ルテオスカイリン 穀類 Penicillium islandicum
麦角アルカロイド類 穀類 Claviceps属

 カビによるカビ毒産生量は、環境条件などの影響を受けることから、地域の自然条件や年ごとの気候変動による差が大きいだけではなく、個々の農産物の生産管理や貯蔵などの取扱い状況によっても異なります。単年度の調査では、適切にカビ毒の含有実態を把握することは難しいため、農林水産省では、食品中のカビ毒に関して継続的に実態調査を行っています。


カビ毒と農作物の汚染は多種多様


 カビ毒は、その種類によって汚染する農産物や汚染する時期・作物中の部位などが異なります。例えば、麦が開花期から登熟期にかけて長雨に合うと、穀粒に赤カビ病の病原菌であるフザリウム属(Fusarium)のかびが付着・増殖し、カビ毒の一種であるデオキシニバレノール、ニバレノールなどを産生します。


 一方、収穫期や貯蔵中に増殖したかびが産生するカビ毒もあります。
りんご果汁での汚染が知られているパツリンは、土壌中のペニシリウム属のカビ(Penicillium expansum)がりんご果実についた傷から侵入し、貯蔵中に果実の中で増殖する際に産生すると言われています。
Aspergillus flavus などのアフラトキシン産生菌は、高温多湿の状態が増殖に適しており、亜熱帯~熱帯の地域において、多くの農作物、特にピーナッツ、トウモロコシ、ピスタチオ、香辛料、干しイチジクなどにアフラトキシンによる汚染が見られます。また収穫後、輸送の過程でこのような地域を通過する場合にも、農作物がアフラトキシンに汚染される可能性があります。


 このように、圃場、輸送、貯蔵など様々な段階でのカビの侵害により、農作物や食品がカビ毒に汚染されます。圃場では天候不順によって汚染の機会が増し、また収穫後の輸送、貯蔵に欠かせない十分な温度、湿度管理には膨大な経費を伴うことから、現状では汚染をゼロにすることは極めて困難です。一方、ごく微量のカビ毒で汚染した食糧を全て廃棄し、食糧不足をきたすのも問題です。したがって、農林水産省では、汚染状況のモニタリングを常に実施し、その汚染が人の健康に影響しない量であることを確認し、日常的に食品の安全性確保に努めています。

ヒトに対する影響


 下表は、現在実際に問題となっているカビ毒の成分の名称を毒性・症状、検出された主な食品例とともにまとめたものです。アフラトキシンは強力な発ガン性物質で穀類、種実類、香辛料などからの汚染報告があります。リンゴの腐敗菌が生産するパツリンはリンゴの貯蔵中に蓄積が進むと考えられています。デオキシニバレノール及びニバレノールは圃場で農作物を汚染することがあります。オクラトキシンAについては世界各地から産生菌が検出され穀類、豆類など多くの食品を汚染し、腎障害などを引き起こしています。植物病原性のあるフザリウム菌によって作られます。


表2 : カビ毒の毒性・症状、検出された主な食品例

名称 主な毒性・症状 検出された主な食品例
アフラトキシン 肝臓障害@発がん性 トウモロコシ、落花生、豆類、香辛料、木の実類、穀物など
パツリン 消化管の充血、出血、潰瘍 リンゴ果汁及びリンゴ加工製品など
デオキシニバレノール及びニバレノール 嘔吐、下痢などの消化器症状、免疫抑制 小麦、大麦、トウモロコシなど
オクラトキシン 腎臓障害、発がん性 穀類及びその加工品、インスタントコーヒー、ワインなど

カビ毒は家庭で予防できる?


・食品にカビが生えているかどうかは肉眼で確認できる場合もありますが、カビ毒が含まれているかどうかは見た目ではわかりません。

・カビそのものは加熱などにより死滅しますが、カビ毒の中には比較的熱に強く、通常の加工・調理では十分に減少しないものもあります。このため、一度カビ毒に汚染されてしまうと、食品からカビ毒を取り除くことは困難であり、食品を通して微量のカビ毒を摂取してしまう可能性があります。そのような可能性をできるだけ低くするために、農産物や食品にカビ毒を作るカビが発生しないよう適切に管理することが重要です。

・食品の保存時は、できるだけ乾燥状態を保ち、きめられた保存方法(冷蔵、冷凍等)を守りましょう。


 また、カビ毒に汚染された農産物や食品を食べることで直接摂取する場合のほか、アフラトキシン類のように、カビ毒に汚染された飼料を食べた家畜を経由して、カビ毒が乳や肉などの畜産物に移行し、それを食べることで摂取する場合もあります。また、飼料に含まれるカビ毒が家畜の健康に悪影響を及ぼすことも知られています。そのため、農林水産省では、飼料に含まれるカビ毒に関して指導基準や管理基準を設定し、畜産物のカビ毒汚染、家畜の健康被害を未然に防止する対策を進めています。


国内における規制


カビ毒は毒性が高いものもあり、国内でも厳しい基準が設けられています。また、カビ毒は家畜が摂取した際に、家畜経由で人へ摂取される可能性が有ることから飼料や乳に対しても基準値が設けられています。

基準値の詳細は下表の通りです。


表3 : 食品の規制値(厚生労働省)

名称 基準値
総アフラトキシン@ (B1+B2+G1+G2の総和) 10 µg/kg
アフラトキシンM1(乳※)@ 乳※:生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、滅菌山羊乳、生めん羊乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳 0.5 µg/kg
(暫定)@ デオキシニバレノール(小麦玄麦) 1.1 mg/kg
パツリン@ (りんごジュース及び原料用りんご果汁) 50 µg /kg

表4 : 飼料の基準値(農林水産省))

名称 基準値
アフラトキシンB1 指導基準※1:(配合飼料)乳用牛用・・・0.01 mg/kg
管理基準※2:(配合飼料)ほ乳期子牛用、ほ乳期子豚用
幼すう用、ブロイラー前期用・・・0.01 mg/kg
(配合飼料)その他牛、豚及び鶏、うずら用
・・・0.02 mg/kg
とうもろこし・・・0.02 mg/kg
デオキシニバレノール 管理基準:生後3か月以上の牛の飼料・・・4 mg/kg
それ以外の家畜等・・・1 mg/kg
ゼアラレノン 管理基準:家畜・・・1 mg/kg
※1:超過して含まれてはならない値
※2:適切な工程管理を行う目安

参考文献
1. かびとかび毒についての基本的な情報:農林水産省
2. 色々なかび毒:農林水産省
3. 「かび毒(総アフラトキシン)のリスク評価」:内閣府 食品安全委員会

 弊社ではカビ毒の個別検査を以前より実施しておりますが、規制値の変化等に伴い、より低価格で多くのカビ毒を検査できる、カビ毒一斉分析プランをご用意いたしております。更に、色々な試料にも対応できるよう精度管理等行いながらより良い分析条件の検討しながら検査を行っております。
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