【ペットフード】愛がん動物用飼料とペットフード安全法について:その② ~ペットフード安全法の概要~
平成19年3月、米国において、有害物質(メラミン)が混入した愛がん動物用飼料 (ペットフード)が原因となって、多数の犬及び猫が死亡しました。6月には、メラミンが混入したペットフードが、我が国で輸入販売されていたことが判明、それに伴い愛がん動物用飼料の安全性の確保を図り、もって愛がん動物の健康を保護し、動物 の愛護に寄与するため、愛がん動物用飼料の基準又は規格を設定するとともに、当該 基準又は規格に合わない愛がん動物用飼料の製造等を禁止する等の措置を講ずるため、平成21年6月に愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)が施行されました。
目次
ペットフード安全法の概要
1.目的
ペットフードの安全性の確保を図り、ペットの健康を保護し動物の愛護に寄与する。(第1条)
2.定義
ペットフードとは、犬猫の栄養に供することを目的として使用されるもの。事業者とは、製造業者、輸入業者、販売業者をいう。(第2条)
3.責務
事業者は、ペットフードの安全性の確保において最も重要な責任があり、①安全性に関わる知識・技術の習得、②原材料の安全性の確保、③ペットの健康被害防止のために必要な処置(例えば製品の回収等)の実施に努める。(第3条)国はペットフードの安全性に関する情報の収集・整理・分析・提供に努める。(第4条)
4.基準・規格に合わないペットフードの製造等の禁止
国は安全なペットフードのための製造基準、教示基準、成分規格を設定できる。(第5条)
いかなる人も、基準・規格に合わないペットフードを製造・輸入・販売することはできない(第6条)
5.有害な物質を含むペットフードの製造等の禁止
ペットの健康被害を防止する必要が認められた時、国は基準・規格に違反した、又は有害な物質を含むペットフードの廃棄・回収等の処置を命じる事が出来る。(第7条)
6.廃棄等の命令
ペットの健康被害を防止す必要が認められた時、国は基準・規格に違反した、又は有害な物質を含むペットフードの廃棄・回収等の処置を命じる事が出来る。(第8条)
7.事業者の届出
ペットフードの製造又は輸入を行う事、事業者は事前に提出をする。(第9条)
8.帳簿の備え付け
ペットフードの取り扱いをする事業者は、輸入・製造・販売・の記録を帳簿に記載する(小売りの場合を除く)
9.報告の徴収・立ち入り検査
国は法律の施行に必要な限度において、事業者に対し報告を求めたり、立入検査を実施する。(第11~13条)
10.罰則
違反の内容により罰則が定められている(法人の場合は1億円以下の罰金など)。(第18~23条)
ペットフードの異常に気づいたら
ペットフードの色や臭いの違いの原因は、原材料の変更の影響や保管中の品質劣化など様々なことが考えられますが、同一製品で同様の問題が発生しているかどうか確認するのであれば、パッケージに表示された事業者に問い合わせると良いでしょう。
ペットフードを与えたペットの体長が悪くなった場合(嘔吐・下痢・吐血など)、飼い主はまずは、かかりつけの獣医師の治療を受け、ペットの健康回復に努めてください。
体調の悪化とペットフードの関係を調べるには、色々な事を確認しなければなりません。フードの保管状況・フードへの慣れ・ペットの健康状態などについて、診察した獣医師から何らかの助言を得られるかもしれません。
次回、「愛がん動物用飼料とペットフード安全法について:その③~基準・規格の設定~」
についてご説明させていただきます。
参考文献;
>>「環境省:ペットフード安全法のあらまし」はこちら
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