SNSで炎上! 食品への異物混入 どんな異物が多いの?
※コラム内に虫の写真が出てきますので、苦手な方はご注意下さい。
近年、大手コンビニチェーンや飲食チェーンから販売される商品への異物混入が、顧客によって写真や動画等でSNSに公開・拡散され、問題が発覚するケースが相次いでいます。
異物混入は企業側に原因があるケースだけではありませんが、SNSでの拡散により、企業はその後の対応に追われるだけでなく、信頼をも失うきっかけとなります。
さらに、飲食店における食品等へのいたずら動画なども、SNSに公開・拡散される事例が増えており、消費者の「食」に対する安全意識はより高まっていると考えられます。
食品中の異物として確認されるものは、主に原材料由来のものと、原材料に由来しないものに分けられます。
≪原材料由来の異物≫
【製品例】 【異物例】
肉類使用製品 ⇒ 骨や軟骨、肉スジ、各種動物の毛など
野菜使用製品 ⇒ 硬くなった植物片、種など
カップ麺 ⇒ ネギ(プラスチックと勘違いされるケースが多い)
全ての食品 ⇒ 焦げや乾燥による変色
サフラニン染色されたネギ(200倍)
≪原材料由来でない異物≫
・プラスチック
原料や製品を包んでいるフィルム、ブラシの毛のような繊維状のもの、トレーやコンテナなど削れた切片など。
製造時だけでなく消費者の調理中などにも混入する場合が多い。
・虫
春から夏ごろにかけての暖かい時期に多く、製造時や喫食時に混入する場合がある。
ユスリカ(100倍)
・カビ
カビ春から夏ごろにかけての暖かい時期に多く、包装に穴が開いていたものや開封後の製品での発生が多い。
・金属
食品製造の機械化や、金属製の器具類が使用されることが多くなったため、部品が欠けたものや、金属が擦れて金属粉となったものが食品に付着、または混入することがある。
≪製造上ではない異物混入事例≫
・人毛
製造段階で入る場合もあるが、消費者が気づかないうちに自身の毛が食品に混入するケースもある。
人毛(500倍)
・歯、歯科材
消費者が喫食する際に歯が欠けたり、歯科材が取れて食品に混入するケース。自分の歯の形や歯科材の形はわからないため、食品に混入していたと思われてしまう。
食品の異物混入は、事業者による食品等の自主回収理由の上位を占めています。(令和4年厚生労働省「食品等の回収報告制度より」)また、異物が混入した食品を口にした消費者が口内を怪我したり、健康被害を被ったりするなど最悪のケースも想定されます。
食品の異物混入を軽く考えず、原因を究明し、消費者への適切な対応や、再発を防止するためにも、検査機関などに早めに相談するようにしましょう。
食環境衛生研究所では、異物検査を行っております。
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《コラム執筆監修者》
食品衛生ラボラトリー事業部
第二食品検査課 異物検査室
小塚