寒くなってきたら流行する?ロタウイルスとサポウイルス

だんだんと寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今回はこれからの時期に気をつけていただきたい2つのウイルスについてのコラムです。
 

ロタウイルス

ロタウイルスはレオウイルス科(family Reoviridae)のロタウイルス属(genus Rotavirus)に分類されるウイルスです。
感染すると水のような下痢、嘔吐、発熱などの症状が現れます。感染経路はヒトからヒトへの経口感染(糞口感染)が多く、ノロウイルスと同様に10~100個で感染が成立するため感染予防が極めて難しいとされています。
日本の年間患者数は約80万人で、入院者数は乳幼児を中心に約7-8万人に及びますが、ワクチンで予防可能です。しかしワクチンによる感染予防、重症化予防は可能でも、感染した場合の抗ウイルス薬はないので基本的に対症療法での治療をすることになります。
 
日本感染症学会より
ロタウイルス感染症(Rotavirus infection)|症状からアプローチするインバウンド感染症への対応 – 感染症クイック・リファレンス|日本感染症学会 (kansensho.or.jp)
 

サポウイルス

感染経路はノロウイルスやロタウイルスと同じく、経口感染(糞口感染)が多く、症状も類似しています。
過去に報告されたサポウイルスによる食中毒事例においては、原因食材の特定には至っていませんが、集団感染が起きた施設での検出は報告されています。
食品中のサポウイルスは、十分な加熱調理により失活させることができます。しかし汚染された食材を調理した手や、包丁・まな板などから生食用の食材に汚染が広がる可能性があります。サポウイルス感染症は、糞口感染によるヒト-ヒト感染、あるいは汚染された食べ物や 水による感染があると考えられています。日本のアサリや生食用のカキ(いわゆる二枚貝)からサポウイルスが検出されていますので、食品衛生上注意が必要なウイルスであるといえます。
 

まとめ

まだまだノロウイルスよりは認知度が低いですが、食品を媒介したり、二次感染が起こったりするウイルスです。食に関わる全ての人に今後知ってほしいウイルスです。
 
ノロウイルス・ロタウイルス・サポウイルスの検査はこちら▼
検便検査(ウイルス検出検査)
 
 

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