血液検査と生化学検査~血球・生化学・電解質検査について~

飼料価格の高騰の影響によるエサのメニューの変更や、昨今の気候の変動などによる動物たちの体調の変化、気になっていませんか?
筆者もこの間健康診断を受け、悪玉・善玉コレステロールのバランスがよくないなと感じ、食生活改善を考えているこの頃です。
さて本題ですが、ヒトの健康診断と同様に、畜産動物でも健康状態を把握するために、血液検査を実施することができます。
生体の異常や生産性向上の指標となりえる検査であるため、畜産業界でも代謝プロファイルテストを始め、注目されています。
 

血液検査

血液検査は大きく2つに分かれますが、そのひとつは血中の細胞成分(赤血球、白血球、リンパ球など)と血漿成分(血小板)について行う検査である、血球計算です。
一般的に貧血、炎症、後に記載の生化学検査と組み合わせることで、脱水、タンパク質の指標などの診断に使われます。
 

生化学検査及び電解質検査

もうひとつが血清または血漿に含まれる成分を測定する、生化学検査及び電解質検査です。
エネルギーの代謝状況や、タンパク質の摂取状況の指標、また、肝臓・膵臓・腎臓などの臓器や、心筋や骨格筋などの組織、ホルモンなどの異常・疾患について推測することが出来ます。同じ組織について見る値でも、障害が起こってから早い段階で値が高くなるもの、長く障害が続くことで値が高くなるもの、さらには他の組織の障害でも値が高くなるものなど色々ございます。なるべく正確に健康状態を把握するためには、複数の項目について検査されますことを推奨いたします。
 
血液検査機器
血液検査器
 

まとめ

これらの値は、動物種、品種、日齢、雌雄や乳・肉・繁殖などの役割の違い、分娩前後の日数、飼養環境、地域などで異なります。
一般的な正常範囲といわれる値もございますが、その農場・試験場での標準的な値を把握することも重要です。
 
ホームページには食環研で検査できる項目や、それぞれの項目の検査目的についてなど掲載しております。皆様の大切なパートナーである動物たちの健康のために、このような形でお手伝いできればと考えております。
ご興味いただいた方は、ご閲覧やご相談ください。
 
 

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