食中毒 リステリア菌の症状と予防法

「リステリア菌」をご存知でしょうか?国内では、リステリア菌による食中毒事例はほとんど報告がないため、あまりなじみのない方もいらっしゃるかと思います。
しかしながら、欧米などの海外ではリステリア菌による集団感染事例が数多く報告されています。
リステリア菌による感染症(リステリア症)は、妊婦の方、高齢の方、免疫機能が低下している方で特に重症化しやすく、また重症化すると致死率が20%程度と高いため、注意が必要です。
 

リステリア菌とは

リステリア症の起因菌であるリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)は、通性嫌気性のグラム陽性小桿菌であり、動物の腸管内や環境中に広く分布しています。リステリア属に分類される菌種は他にも十数種類報告されていますが、人に病原性を示すのはリステリア・モノサイトゲネスの1菌種のみです。リステリア菌は、冷蔵庫内のような低温環境(4℃以下)や、12%の塩分濃度でも増殖することができるという特徴があります。
 

原因食品

ナチュラルチーズなどの乳製品や肉製品といった、冷蔵庫で長期間保存する食品が原因となることが多いです。このほか、海外における過去のリステリア食中毒事例では、コールスロー、ホットドッグ、肉や魚のパテ、スモークサーモン、メロンなど様々な食品が感染源となっています。
 

症状

健康な人は軽症や無症状であることも多いですが、感染初期には主に発熱、頭痛などのインフルエンザ様症状が見られます。重症化した場合は髄膜炎や敗血症などを引き起こし、死に至ることもあります。また、妊婦の方が感染した場合には早産や流産の原因となり、新生児にも髄膜炎や敗血症などの症状を引き起こすことがあります。
 

予防法

リステリア菌は冷蔵庫内でも増殖するため、期限内に(開封後は速やかに)消費するよう心がけましょう。食品を保管する際には、冷蔵庫よりもさらに低温で管理できる冷凍庫やチルド室を活用するのも効果的です。リステリア菌は加熱により死滅しますので、加熱が必要な食品については、十分に加熱してから食べるようにしましょう。また、生野菜などはよく洗ってから食べるようにしましょう。
 
弊社では、リステリア・モノサイトゲネスの検査(定性/定量)を取り扱っております。
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