補体結合反応(CF)の原理と方法

イムノアッセイ② 補体結合反応(CF)てなに?

補体結合反応(Complement fixation test :CFと略す)とは抗原と抗体の結合物に補体が結合する性質を利用し、抗体価を測定する方法です。
 

補体(Complement:Cと略す)とは?

血液中に含まれるタンパク質の一種で、抗体の作用を補完する成分として発見され補体と名付けられました。補体は抗原と抗体が結合(抗原抗体複合体)することによって活性化されます。C1~ C9の9成分が知られており、このそれぞれの成分が協力し合い抗体が結合した細胞膜を溶解させる作用を発揮します。熱(56℃ 30分)で活性を失う性質を持っています。
 

CFの原理

CFは感作血球に補体を加えると溶血が起こるという作用を利用します。
(感作血球:赤血球を抗原、赤血球に対する抗体を溶血素と称し、その2つを結合させたもの)
 
被験血清の倍数希釈列に抗原と補体を加え一定時間反応後感作血球を加えると、被験血清中に抗原に対する抗体がある場合は、その抗原と抗体が結合し形成された抗原抗体複合体と補体が結合することで補体が消費され、感作血球は溶血しません。被験血清中に抗原に対する抗体がない場合は感作血球と補体が結合し、赤血球が溶血します。感作血球を溶血阻止する、被験血清の最高希釈倍率が抗体価となります。
 

 

CFの特徴

CFは血清型に特異的な抗体検査方法として古くから実施されています。中和試験、HI試験に比べ感度は低いですが、設備や日数、費用がかかる中和試験、凝集能を有する病原体に対しての検査方法であるHI試験に対し、CFは抗原抗体反応が起こるものならばほとんど検出可能です。またIgGだけでなくIgMも補足でき、感染初期の抗体も検出できる特徴があります。

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