検便検査っていつやればいいの?大量調理施設衛生管理マニュアルから頻度とタイミングについて考える。

検便検査をいつやる?タイミングについて

検便検査を行うタイミングは、嘔吐・下痢などの症状がある場合や、食事が原因で病原体に感染した人と同じ食事を食べた場合に検査する必要があります。

 

  • 嘔吐・下痢などの症状があるとき
  • 食事が原因で感染した人と同じ食事を食べたとき
  • 調理業務復帰のとき

 

まず、嘔吐・下痢などの症状がある場合は直ちに医療機関へ受診し感染症の有無を確認しなければなりません。
ノロウイルスによる感染症と診断された場合、リアルタイムPCR法等の高感度の検便検査でノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控えさせるなど適切な処置をとることが望ましいとされています。

また、食事が原因でノロウイルスに感染した人と同じ食事を食べていた場合は速やかにリアルタイムPCR法等の高感度の検便検査を実施し、ノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、調理に直接従事することを控えさせることが望ましいこととされています。

以上のことから検便検査を行うタイミングは、症状がある場合や食事が原因で感染した人と同じ食事を食べ、菌やウイルスを保有している可能性がある場合に検査することが望ましいと考えられます。

 

 

検便検査を行う頻度と検査項目について

大量調理施設衛生管理マニュアルより、検便検査の頻度は「月1回以上の検便を受けること」と記載されています。また、検査項目には「腸管出血性大腸菌の検査を含め、必要に応じ10月から3月にはノロウイルスの検査を含めること」と記載されています。

腸管出血性大腸菌とノロウイルスの感染力はとても強いです。腸管出血性大腸菌は、ヒトに発症させる菌数は50個程と少ない菌量で二次感染が起きます。また、強い酸抵抗性を示し胃酸の中でも生きることができます。ノロウイルスは、エタノールでは効かなく大きさはウイルスの中でも小さいため空気中に飛散することがあります。

ノロウイルスの感染力は10個程のウイルスで感染が成り立つほど強い感染力を持っています。そのため、検査項目に腸管出血性大腸菌とノロウイルスを含めることが重要だと考えられます。

 

 

大量調理施設衛生管理マニュアルとは

大量調理施設衛生管理マニュアルとは、集団給食施設等における食中毒を予防するために、HACCPの概念に基づき、調理過程における重要管理事項が示されたマニュアルです。このコラムでは、大量調理施設衛生管理マニュアルを基に検便検査を行う頻度とタイミングについて考えていきます。

 

 

検便検査を行う目的

まず、検便検査を行う目的は、二次感染による食中毒の予防のためです。

食中毒は、病原性細菌やウイルスを保有している調理従事者から拡がる二次感染があります。そのため、検便検査を行うことで健康保菌者を早期に発見し二次感染による食中毒を防ぐことができます。検便検査の実施は義務ではありませんが、保健所から報告書の提出を求められることがあります。

では、検便検査は何の項目をどのくらいの頻度で行うことが望ましいのでしょうか?

 

 

腸管出血性大腸菌、ノロウイルス(必要に応じて)の検査項目を含め月1回以上

当社では、腸管出血性大腸菌やノロウイルスの検便検査を実施しております。

人気の検査項目

  • 3項目セット検査(腸管出血性大腸菌O157,サルモネラ属菌,赤痢菌)

基本3項目検査は、当社でもっともご依頼の多い検査項目です。腸管出血性大腸菌の検査はO157以外にもO111,O26,O128,O103,O121,O165の検査を実施することが可能です。

  • ノロウイルス高感度検査(ノロウイルスRT-PCR法)

ノロウイルスRT-PCR法は、極少量のウイルスを検出することができる検査です。大量調理施設衛生管理マニュアルで望ましいとされている高感度検査になります。陽性の場合、ウイルス量がわかるように1+~3+でご報告させていただいております。

是非ご利用ください。

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参考資料

大量調理施設衛生管理マニュアル(4)調理従事者等の衛生管理より

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