植物の生育に欠かせない三大栄養素とは?

植物生育に必要な主なものは、光、水、空気、温度、養分の5つ。
これらが必要な分だけ揃っていれば、作物は順調に生育することができます。
 
植物が生長するのに必要な栄養素としては、窒素、リン酸、カリが重視され、これらを肥料の三大栄養素と呼んでいます。 窒素は生育を促す葉肥(はごえ)、リン酸は花つきや実つきをよくする花肥(はなごえ)あるいは実肥(みごえ)、カリは根の生育を促す根肥(ねごえ)などと呼ばれています。
 
これらの肥料は、過不足なく与えることが大切で、少なすぎ、多すぎも植物の成長に影響を与えます。特に注意するべき項目は窒素。
窒素を与えすぎると・葉や茎が育ちすぎて実がならずに枯れてしまい、また、病害虫のエサになり、植物が枯れてしまいます。
 

生育に適した施肥のポイント

野菜の場合は品目によって施肥の違いがあります。
 
例えば、小松菜などの葉菜類の場合は可食部となる葉や茎がしっかりと成長することが大切なので、生育の基となる窒素、水分を維持するカリが重要なポイントになります。
 
一方、トマトやキュウリなどの果菜類では、生育は基より、実もつくらなければならないので窒素とリン酸も大事になります。
 
>>※2 農林水産省「都道府県施肥基準等」はこちら
 
 
 
また、7月になり、猛暑日が続いております。
植物の生育に大事な温度(生育適温:15℃~30℃)管理も非常に難しい季節となりました。
 

高温障害

植物は、ある一定の温度が続くと生育が停止し、それが長時間続くと細胞がダメージを受けます。特に、光合成や水分輸送などの生命維持に必要な機能が停止し、最終的には枯れる可能性があります。
 
特に、キュウリは、特に花や若果において高温障害が発生し易く、30℃を超えると受粉が困難になることで収穫量が大幅に減少してしまいます。
主な症状としては、花が咲かずに落ちる「落花」、若果が大きくならずに枯れる「若果枯れ」が挙げられます。
 
一方、トマトは35℃以上の高温になると花粉が固まり、受粉が阻害されます。また、高温により果実の色づきが悪くなる「色づき不良」や、果肉が硬化し味が落ちる「硬組織化」が起きてしまいます。
 
気候変動の影響が強まる中、農作物の生育環境を守り、高温障害への理解と対策は今後ますます重要となるでしょう。
 
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