HIV/エイズとは?|感染経路と予防法を理解しよう
HIV/エイズとは?
HIV(Human Immunodeficiency Virus)とは、ヒト免疫不全ウイルスのことで頭文字をとってHIVと呼ばれています。HIVはヒトの免疫細胞に感染して、何年もかけて免疫力を低下させるウイルスです。また、HIVに感染した状態のことをエイズ(AIDS)と呼ぶと考える方も少なくないかと思いますが、実はそうではありません。エイズとは後天性免疫不全症候群のことで、HIVによって引き起こされる病気を指します。
HIVの感染経路・症状
HIVは血液や膣分泌液、精液、母乳などに多く存在しています。唾液や涙などにも含まれていますが、微量なためほとんど感染には至りません。HIVの主な感染経路は性行為による感染、注射器の使い回しによる血液感染、産道や母乳からの母子感染などがあります。その中でも、最も多いものは性行為による感染です。特に男性同性間での性行為では膣や口腔よりも薄い腸管粘膜からHIVが侵入するため異性間よりも感染しやすいです。しかし、HIVは感染力が弱いため共有のタオルの使用や、同じ皿の食品を食べるなどの日常生活で感染することはほとんどありません。
症状としては、基本的にHIVに感染した段階では無症状の場合が多いです。HIV感染初期にインフルエンザ様の症状が出ることがありますが、数週間で治まります。エイズを治療しないで放置すると、感染力が弱い病原体への感染(日和見感染)を引き起こし、死亡する可能性があります。そのため、HIVの感染が直接の死因になることはありません。
治療・予防
HIVに感染していることが早い段階で分かれば、HIVのウイルス量を減らす薬を投薬することでエイズ発症を遅らせることが可能です。但し、服薬を止めてしまうと再びウイルス量が増加するため継続的に服薬する必要があります。
予防としては、最も感染経路として多い性行為を不特定多数の人と行わないことです。また、その際もコンドームを使用することが大切です。
参考
>>国立感染症研究所 HIV/AIDS
>>公益財団法人 エイズ予防財団
>>エイズ予防ネット API-Net