ガラス体積計|洗浄や乾燥方法について知ろう
目次
【ガラス体積計の洗浄】
試料を正確にははかり採るためには、使用前に器具を洗浄しておくことが重要です。
有機物による汚れ(タンパク質や油など)がある場合
洗剤に一昼夜つけ置きし(可能であれば、つけ置き後超音波洗浄が望ましい)、洗剤を水道水で十分に洗浄後超純水などの脱イオン水で数回濯ぎます。汚れが酷い場合でも内壁に傷がつくと正しい容量が取れなくなる可能性があるため、ブラシで擦りながら洗浄するのは避けるべきです。
金属分析など対象が無機物質の場合
3 mol/L程度の硝酸に一昼夜つけ置き後、洗剤を水道水で十分に洗浄後超純水などの脱イオン水で数回濯ぎます。
洗浄が確実に行われていることの目安は、水が内壁面に一様に残るようになった状態で、液滴が残っていたり、水がはじかれている部分がある場合は洗浄が不十分であると判断されます。
【ガラス体積計の乾燥】
洗浄後の器具の乾燥に関しては、乾燥中に汚染をすることもあるので、必要な場合以外は乾燥させずに共洗いで使用するのが望ましいです。
有機溶媒を採取する・器具を保管するなど乾燥が必要な場合
十分に洗浄したものを倒立して自然乾燥させるのが理想です。
急いで使用する必要がある場合
アセトンで洗浄した後、低温(温かさを感じない温度)のドライヤーで乾燥させます。
十分洗浄後、エタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄して空気を通じて乾燥させる方法があります。高温の乾燥機の使用はガラスの膨張により体積が変わってしまう可能性があるので避けるべきです。
参考文献
1.ミニファイル 前処理に必要な器具や装置の正しい使用法、ガラス計量器:ぶんせき2020 2
2.宮下文秀、質量、容量の正確な計量:ぶんせき 2008 1
3.JIS K 0050:2019:化学分析方法通則
コラム
>>ガラス体積計|JIS規格に基づくガラス体積計の重要性
>>ガラス体積計|許容誤差について詳しく解説
>>ガラス体積計|全量ピペット及び全量フラスコの扱い方について