ISO/IEC 17025:2017とは?抗菌試験(JIS Z 2801準拠)とは
現在、多くのビジネスにおいて製品やサービスの信頼性がより重要視されており、品質や分析・測定などの結果を示す“試験成績書”や“校正証明書”の必要性が高まっています。
ISO/IEC 17025:2017とは、試験結果が信頼性のあるものかどうかを判断する世界基準です。規格の認定を受けることは、製品/品質管理上のマネジメント力や試験に対する技術力が国際的に認められていることを表します。
ISO 17025の認定を得るためには、主に2つの項目についての対応が要求されます。
1.マネジメントシステムに関する要求事項 ⇒品質保証の仕組み
など…
2.技術的要求事項 ⇒試験結果の正確性
など…
食環境衛生研究所では2024年12月に化学的試験についての認定更新に加え、「生物的試験」についても新たにISO/IEC17025:2017の認定を取得いたしました!
そこで今回は、生物的試験の手法と判定基準に使用される「抗菌試験(JIS Z 2801準拠)」について解説いたします。
【抗菌試験(JIS Z 2801準拠)とは】
JIS Z 2801に準拠する抗菌試験とは、抗菌加工をした非繊維製品(プラスチックや金属、セラミックなど)の表面における抗菌性を確認する試験です。菌種は大腸菌と黄色ブドウ球菌となります。
〖抗菌試験 手順〗
抗菌加工しなかった試験片に対して、加工を施した試験片の菌数(コロニー数)がどれくらい減少したかによって効果の有無を判定します。この規格では、細菌の増殖割合が100分の1以下になった場合、製品に抗菌効果があると規定されています。
わたしたちの身近なものでいうと、つり革・まな板などのキッチン用品・近年で使用者が増えたマスクケースなど、抗菌性をアピールしたいものがこの試験の実施対象として挙げられます。
製品によって大きさや形の調整が難しい場合は、表面積400~1600mm2のフィルムをかぶせることができれば対応が可能ですのでお問い合わせください。
【食環研でISO認定されている試験一覧】
試験分野 | 測定対象 | 試験内容 |
---|---|---|
化学的試験 | 食品 | ICP-MSによるカドミウムの測定 |
食品、飲料水、土壌 | ゲルマニウム半導体検出器による 放射性物質濃度測定 | |
食品 | LC/MS/MSによるアクリルアミドの測定 | |
生鮮野菜 | GC/MS/MSによる残留農薬5項目 ・クロルピリホス ・フェントエート ・フェニトロチオン ・ピリミホスメチル ・マラチオン の測定 | |
生物的試験(微生物試験) | 繊維製品および光触媒抗菌加工製品を除く、 プラスチック製品、金属製品、 セラミック製品など抗菌加工を施した製品(中間製品含む) | JIS Z 2801による抗菌性試験 生菌数 (大腸菌、黄色ブドウ球菌) |
食環研ではISO認定された試験のほかにも様々な試験への対応が可能です。
実施の可否、ご予算等についてはお気軽にお問い合わせください。