動物用医薬品について販売方法や目的などを解説!
動物用医薬品とは
医薬品、医薬部外品、医療機器、体外診断用医薬品及び再生医療等製品(以下「医薬品等」と言う。)は、いずれも一般の日用品と異なり、保健衛生上極めて重要なものであるため、日本における医薬品等に関する運用等を定めた法律によって規制されています。その法律が平成25年に改正され、法の内容の一部改正を行うとともに、法律の題名も従来の「薬事法」から「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「医薬品医療機器等法」という。)に改称され、平成26年11月25日に施行されました。
一方、専ら動物に使用する医薬品等を動物用医薬品等と言いますが、これらも人用と同様に医薬品医療機器等法によって規制されています。対象となる動物としては以下のようなものがあげられます。
産業動物:
牛、豚、馬、鶏、うずら、蜜蜂、養殖魚
愛がん動物:
犬、猫、愛がん鳥、観賞魚
産業動物においては、安全な畜水産物の安定的な生産に寄与し、愛がん動物においては動物の健康を守るために役立っています。
動物用医薬品はどんな目的で使われるの?
動物の病気の予防・治療・診断等に使用します。
予防:ワクチン、ノミ・マダニ駆除剤など
治療:抗生物質、抗炎症薬など
診断:感染症の検査キット、血液成分の検査キットなど
動物の身体の構造、機能に影響するもの:麻酔薬、ビタミン剤など
医薬部外品
動物に対する作用が緩やかであり、体臭や口臭の防止などのために使用されるものです。例えば、一部のシャンプーやデンタルケア製品などがあります。
どうしたら販売できるの?
動物用医薬品が販売に至るためには、まず専門家が審査して国が承認する必要があります。
動物用医薬品を使用することで発生する動物や人への健康被害をより少なくするために、国などの第三者が一括して審査・承認をする必要があります。国の承認がないと、動物用医薬品の使用者は、安全な使い方などを自分で判断しなければなりません。また、製薬会社はそれぞれバラバラに動物用医薬品の信頼を確保するための証明をしなければならなくなります。
承認された動物用医薬品を販売するためには、各都道府県知事から販売業の許可を受ける必要があります。
また、6年毎に許可の更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失います。
販売業の許可は、販売形態や販売先並びに取扱品目によって下表の通り4 種類に分かれ、薬剤師または登録販売者を置く事が必要です。
登録販売者とは、医薬品の販売等に従事する為に必要な資質を有する者として都道府県知事の登録を受けた者の事で、動物用の登録は人体用とは別に受ける必要があります。
動物用医薬品を販売あるいは授与する場合には、薬剤師または登録販売者は動物用医薬品の適正使用の為に情報提供に努める事や、購入者等から相談があった場合の応需が義務付けられています。
販売業の種類 | 配置される専門家 | 販売可能な動物用医薬品 |
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店舗販売業 | 薬剤師 または登録販売者 | 薬剤師は全ての医薬品 登録販売者は指定医薬品*以外の医薬品 |
特例店舗販売業 | 医薬品医療機器等法上の定めなし | 店舗毎に都道府県知事が許可した医薬品 |
卸売販売業 | 薬剤師 または登録販売者 | 薬剤師は全ての医薬品 登録販売者は指定医薬品*以外の医薬品 |
配置販売業 | 区域管理者として薬剤師または登録販売者 | 防虫剤等の農林水産大臣が定める基準に適合する医薬品薬剤師はすべての医薬品 登録販売者は指定医薬品以外の医薬品 |
参考文献
1. 人の健康と動物用医薬品等、公益社団法人日本動物用医薬品協会
2. 動物用医薬品とは、農林水産省 消費・安全局 畜水産安全管理課