【PFAS】食品安全委員会の毒性評価まとめ

前回のコラムでは国内の基準値の動向について触れましたが、暫定値を指針値化する際に食品安全委員会の食品健康影響評価に基づいており、ここで評価されている毒性の評価の実際について解説をします。
 
検討主体は有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループが行っており、専門科学者22人(委員10人、参考人12人)の構成となっています。
なお、調査した文献は計2,969報の中から257報を選定し評価に用いています。
 
評価結果の概要を下表にまとめます。
 

項目評価
肝臓への影響PFOS、PFOA及びPFHxSは、肝臓に影響を及ぼす可能性は否定できないものの、証拠は不十分
脂質代謝への影響PFOS、PFOA、PFHxSは、脂質代謝に影響を及ぼす可能性は否定できないものの、 証拠は不十分
生殖・発生への影響PFOS及びPFOAは母体血を介した胎児期のばく露と出生時体重低下との関連は否定 できないものの、知見は限られており、出生後の成長に及ぼす影響についてはまだ 不明
免疫への影響PFOS、PFOA及びPFHxSについて

  • 抗体応答の低下:可能性は否定できないものの、これまで報告された知見の証拠の質や十分さに課題あり
  • 易感染性:国内及び海外情報からの知見に一貫性がないことから証拠は不十分
  • アレルギー疾患:研究結果に一貫性がないことから証拠は不十分
  • 甲状腺機能と甲状腺ホルモン濃度への影響知見が少なく、結果に一貫性がないため、影響があるとまでは言えない
    神経への影響評価を行うには証拠が不十分
    遺伝毒性・発がん性の評価発がん性に関する知見から指標値を算出するには情報が不十分であると 判断した

     
    動物試験、疫学研究では肝重量増加、肝細胞肥大、コレステロールの低下・増加等様々な影響が認められていますが、動物種の違いや証拠が不十分な事によりヒトへの影響についての関連はまだはっきりとは評価出来ていない事が分かります。
     
    次回コラムでは、実際の基準値設定について解説をします。
     
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