牛の消化管寄生虫病について解説

牛における消化管寄生虫病について説明していきます。
消化管寄生虫病は牛消化管内寄生虫によって引き起こされる疾病であり、原因となる寄生虫によって症状に差はあるものの、主な症状としては以下の症状が見られます。
 

主症状

下痢・発育不良・増体低下・毛艶が悪い・代謝機能異常など
 

一般線虫

主に以下の寄生虫が見られる
 

線虫名主症状備考
オステルターグ胃虫下顎の浮腫、水様性下痢、貧血、低蛋白血症など 成虫は第四胃に寄生
幼虫は胃腺腔内で発育
クーペリア食欲不振、下痢、体重減少、貧血、発育不良成虫が小腸に寄生
毛様線虫貧血と栄養障害成虫は第四胃・小腸に寄生
牛鈎虫吸血や浮腫を引き起こし、病原性が強い成虫は小腸に寄生
牛腸結節虫貧血、下痢、栄養不良 幼虫期に小腸や毛結腸粘膜に侵入して結節を作る
成牛ではほとんど無害

 

ネマトジュルス

主症状

食欲不振、体重減少、下痢
 

  • 大型(200μm以上)であり、4~8個に分割した卵細胞を持つ。
  • 虫卵内で2回脱皮を行い、感染子虫が孵化する。成虫は小腸に寄生する。
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    牛捻転胃虫

    主症状

    貧血、低血糖血症
     

  • 一般線虫卵の形であるが、大型(120~150μm)で成虫は第四胃に寄生する
  • 吸血による病原性が強い
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    乳頭糞線虫

    主症状

    幼若牛の突然死、下痢
     

  • 新鮮便、直腸内便に第1期幼虫が包含されており、体外に排出された後数十分で幼虫を形成して、6時間後に孵化が始まる。
  • 感染は第3期幼虫が経皮的に侵入することでおこる。
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    毛細線虫

    主症状

    下痢、食欲不振、体重減少、貧血、呼吸器症状
     

  • 茶褐色を呈し、両端に栓球を有する。
  • 鞭虫卵に酷似するが、栓球の突出が顕著でない。
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    牛鞭虫

    主症状

    慢性下痢、粘血便、栄養低下、貧血、脱水など
     

  • 茶褐色を呈し、レモン状に中央部が膨らみ、両端に突出した栓球がある。
  • 成虫は盲腸に寄生し、少数の寄生で宿主の健康状態が良好であれば症状はほとんど認められないか、軟便が認められる程度。
    寄生部位に粘膜肥厚や結節形成が認められる。
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    ベネデン条虫

    主症状

    子牛において元気消失、被毛粗剛化、発育不良など
     

  • 成虫は小腸に寄生し、内部に六鈎幼虫を含んだ2個の突起を持つ幼虫皮殻を有している。
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