燃えない神秘な布のふしぎな物語|古代ギリシャ・ローマとアスベストの出会い

これは布?それとも石?

今から約2000年以上前、古代ギリシャの人々は、ある不思議な素材を見つけました。
それは「アスベスト(Asbestos)」と呼ばれる鉱物。
細く裂いて糸のようにして織ると、まるで布のようになるのに、火にかけても燃えないです!
このことから、アスベストは「消えないもの」「不滅のもの」を意味するギリシャ語「asbestos」と名付けられました。
 

特別な場面で使われた“神秘の素材”

アスベストの布は、神殿の祭司の衣服や儀式用の布、オイルランプの芯などに使われました。
火に強く、汚れても焼けばまた白くなるため、「神聖」なものとして扱われたのです。
また、古代ローマでは火葬された遺体の灰を包む布としても使われました。布が燃えないので、遺骨をきれいに残すことができたのです。
 

すでに気づかれていた“危うさ”

便利で貴重なアスベストですが、その影にあるリスクにも、古代の人々はうすうす気づいていたようです。
ローマの博物学者プリニウスは、アスベストを扱う労働者が体を壊すことがあると書き残しています。
粉が空気中に舞い、それを吸い込むことで体に害を及ぼしていたのです。
 

古代の素材から学べること

アスベストは、長い間「夢の素材」として利用されてきました。
安全性についての理解が深まったのは、ずっと時代が下ってから。
今では健康被害を防ぐため、世界中で使用が厳しく制限されています。
この物語は、「便利なものほど、正しい知識と使い方が大切」だということを、私たちに教えてくれました。
古代の人々の驚きと知恵、そしてその教訓を、現代の私たちもしっかりと受け取りたいです。
 

ちょこっと余談

アスベストの布は、洗うかわりに「焼く」!
汚れたら火にくべるだけで、また真っ白になると言われていました。
まるで“自動クリーニング”布!
 
ローマ時代の裕福な人は、アスベストの布ナプキンを使っていた!
食後、使用済みの布ナプキンを火で焼いて再利用していたとか。
 
 
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