アレルギー表示

アレルギー物質の表示もれによる謝罪広告を最近よく目にします。まず考えられるのが、製造者の知識不足であることは言うもでもありません。しかし、なぜ頻繁にこのようなことが起こるのでしょうか。

食品表示に関する法令は、食品衛生法、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)、健康増進法、計量法など、多数の法律が関与しています。この多数の法律が組み合わさるため、難解にし、表示ミスを引き起こしています。

アレルギーに関する表示は、食品衛生法で規定されています。重篤度・症例数の多い特定原材料5品目(卵・乳・小麦・そば・落花生)※については、省令で表示を義務付けし、過去に一定の頻度で重篤な健康被害が見られた20品目(特定原材料に準ずるもの)※については、表示を奨励しています。(※平成21年から、特定原材料は7品目に、準ずるものは18品目となっております。)

表示の方法は、個々の原材料の直後に括弧書き(個別に表示する場合)、または原材料すべての記載の後に括弧書き(一括で表示する場合)の2通りがあります。しかし、(1)原材料表示の中に特定原材料が含まれている場合は、改めて括弧書きで記載する必要はありません。
JAS法では、表示全般に関して規定され、複合原材料に関しても規定しています。
複合原材料とは、2種類以上の原材料からなる原材料です。複合原材料の記載方法は、複合原材料の名称の次に括弧を付して重量の多い順から記載します。近年、食品の生産工程が複雑・分業化になり、製造業者は、様々な複合原材料を組み合わせ製造するため、決められた表示の枠内に全てを記載することが困難になります。そのため、(2)原材料に占める重量の割合が5%未満である場合又は複合原材料の名称からその原材料が明らかである場合には、複合原材料の原材料の記載を省略することが出来ます。

上記の(1)、(2)と人間の不注意により、特定原材料の記載を削除してしまうことが生じてしまいます。こうならないためにも、製品に記載されている表示だけではなく、原材料及び製品の仕入れ時に販売元の事業者からアレルギー物質(特定原材料5品目)の有無についての製造・販売に関わる関係書類から確認する必要があります。さらに、定期的に、加工食品中に特定原材料が含まれているかどうか試験検査し、適切なアレルギー表示を行い安全な食品を提供していきましょう。

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