食品アレルギー

食品回収情報に目を通すと、その理由・原因として「アレルギー物質表示欠落のため」「アレルギー物質混入の疑いあるため」などが挙げられているのを良く見ます。今回は、「食品アレルギー」そのものについて簡単に解説をしたいと思います。

そもそも、アレルギーとは、免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こることをいいます。免疫反応とは、体の中で異物(抗原)が入ってくると、これに対して排除しようとする働きにより、抗体が作られるというものです。

ごく身近な例では、アレルギー性鼻炎(花粉症)やアトピー性皮膚炎などがあります。花粉症では、植物の花粉が異物(抗原)となって、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状を引き起こすこととなります。つまり、食品アレルギーでは、食品に含まれる成分が異物(抗原)となって、何らかのアレルギー症状が出ることを言います。

アレルギー物質の表示に関して食品製造業に携わる方にとっては、食品の表示に係る法令などが一元化されていないことが、混乱を招くとともに表示欠落を理由・原因とする製品回収が起こる一因になっていると感じるかもしれません。

しかしながら、食品アレルギーの中には、アナフィラキシーショックを起こして命にかかわるようなこともあります。すなわち、アレルギー物質表示の怠りや製品への混入によって、重篤な健康被害を起こし、非常に痛ましい事故が起こりうる可能性も秘めているのです。これらのことも含め、食品製造業界の様々な問題がクローズアップされる現代では、食品製造業者皆様の理解と努力が益々重要となっていくことになるかと思われます。

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