食中毒とその防止について

今回は食中毒とその予防法について説明します。皆さん「食中毒」と聞くとどんなことを思い浮かべますか?「ものを食べて体調を悪くする」といった答えが多いのではないでしょうか?じつはほぼ正解で、食中毒菌や食中毒菌が作った毒素、ウイルス、その他の有害、有毒なものを含む食べ物を食べると発生する症状のことを言います。

主な症状は胃腸炎(下痢、腹痛、吐き気など)ですが、発熱など風邪に似た症状の場合もあります。食中毒菌を含む食べ物を食べてもすぐに症状がでず、数時間後に症状が出る場合もあります。食中毒菌やウイルスが食べ物についていても、見た目やにおい、味で判別することはできません。

食中毒は大きく次のように分けられます。

一つ目は「細菌・ウイルスによるもの」で実に全食中毒の90%以上を占めます。さらに細菌・ウイルスの中でもサルモネラ・ノロウイルス・カンピロパクターの3つで2006年の患者数別食中毒の約80%を占めたそうです。他の代表的な食中毒を発生させる細菌・ウイルスには、黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌(O26、O157など)、腸炎ビブリオ、セレウス菌などがあります。

二つめは「自然毒によるもの」です。ふぐ・きのこなど有毒物質を誤って食べてしまうことで発生するもので、割合は少ないけれど死者がでる場合もあります。

三つ目は「化学物質によるもの」です。水銀、砒素などの有毒物質が付着している食物を食べることで発生します。

細菌やウイルスによる食中毒は、次の三つのことを守れば防ぐことができます。

一つ目は「つけない」です。代表的なものに、調理器具はしっかり洗浄・消毒する、冷蔵庫内では互いに汚染しないように肉・魚と野菜を分けて保管する、調理前には必ず手を洗うなどがあります。

二つ目は「増やさない」です。代表的なものに、食品は室温で放置せずに冷蔵庫で保存する。手早く調理し、早めに食べる、等があります。細菌が増えるための条件は「水分・温度・栄養」です。逆にいえばこの三つを遠ざければいい訳です。

三つめは「殺す」です。加熱することでほとんどの食中毒菌は死にます。大切なのは、中心までしっかりと加熱することです。

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