最近の食品問題で感じること

「水と安全がタダではなくなった我が国では、ただの食べる事さえも命がけになってしまうのでしょうか?」

すごくオーバーな言い方です。しかしながら、最近の食品関連の報道を見ていると、近い将来近所のスーパーで買う食材、レストランでの食事など、今まで何の疑問も抱かずに口にしてきた食品を、果たして『?』なしで食べることが出来るのだろうか?と思うことがあります。

非常に残念なことですが、最近「食品」というキーワードに一番相性が良いのは、「偽装」でしょうか。それとも「改竄」?ただし、これらの事項については全ての『原因』が製造者側にあるとは、言えない事柄もあるのではと感じます。

結果的に、法律を守らなかった製造者が法的な制裁を受けるのは当然のことで、『責任』を負うのは製造者です。しかし、その経緯を考えると行政の指導や対応、消費者の要求などの中に『原因』となる事柄が少なからずあったのではないかとも思えるのです。
こんなことを記載すると「社会のせいだ」と言って罪を認めない犯罪者の肩を持つような考えを感じさせてしまう可能性もありますが、決してそういう事ではありません。
『責任』も『原因』も全て製造者にあるような見解がなされていることが多いと感じるのです。現在の状況を具体的に「改善」するには、製造者の努力だけではなく、行政の指導やその方法自体の見直し、そして消費者が正しい知識を持った上で、要求を出すということもポイントであり、『原因』にスポットを当てることが重要であると思います。

全く違う業界の少し古い話になるのですが、「パソコンを使っている息子がコンピューターウイルスに感染しないか心配だ」といったクレームが、実際にあったようです。今では笑い話ですが、これに近い内容(知らないことから起こる不安)の事柄を食品関連のクレームでも耳にすることが少なくありません。不安を少しでも解消するには、どうしたら良いのだろうと考えるだけでも、より良い「食の安全・安心」に近づくと思います。

製造者・消費者・行政機関各々がより良い「食の安全・安心」に意識を持って取り組めるような状況を徐々にでも形成していくことに少しでも尽力が出来ればと、特に最近は感じるのです。

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