ノロウイルス③

ノロウイルスは貝類などによる食中毒の他、感染したヒトの糞便や物等を介して口から感染します。症状は突発的に起こることが多く、激しい吐き気、下痢、悪寒が続き、さらに発熱を伴うこともあります。これらの症状は通常、1、2日で治癒し、後遺症が残ることもありませんが、免疫力の弱い老人や乳幼児では長引くことがあり、直接死の原因になることは少ないですが、嘔吐物を喉に詰まらせることによる窒息死は報告されています。

また感染しても発症しないまま終わる場合や風邪と同様の症状が現れるのみの場合もあります。この場合で怖いのは、本人に自覚が無くてもウイルスは進行しており、知らない間に、糞便から感染する恐れがあることです。

予防法として、ノロウイルスは85℃以上1分間以上の加熱によって感染性を失うため、中心部まで充分加熱し、包丁やまな板・調理器具は使用後よく洗浄・塩素系漂白剤による消毒をすることが必要です。

万一作業場内でノロウイルスと疑われる症状が発生した場合、床等に飛び散った患者の吐ぶつや糞便を処理するときには、使い捨ての作業着、マスクと手袋を着用し、ペーパータオル等で静かに拭き取ります。拭き取った後は、塩素系漂白剤で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。
さらに患者が触ったであろう調理器具やドアノブ等の洗浄・殺菌を行ないます。また、ノロウイルスは乾燥すると空中に漂いやすく、に入って感染することがあるので、嘔吐物や糞便は乾燥しないうちに床等に残らないよう速やかに処理し、処理した後はウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら十分に喚気を行うことが感染防止に重要です。
またノロウイルスは症状が消失した後も3〜7日(場合によっては2週間以上)はウイルスが排出されるので症状が治ったと思ってもしばらくは注意が必要です。

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