自主管理認証制度

各都道府県や市単位で、自主的な衛生管理を促進させ、食品の安全性を確保することを目的とした、自主管理認証制度が実施されつつあります。国で認証している総合衛生管理製造過程認証制度もありますが、対象食品は牛乳、乳製品、清涼飲料水、食肉製品、魚肉ねり製品、容器包装詰加圧加熱殺菌食品に限られ、専門の組織及び高度な衛生管理を必要とする制度であるため、一部の大規模な製造業が承認を受けているのが現状です。そのため、自主管理認証制度は、基本的な衛生管理を確実に行うことを求めるものであり、制度が定める基準を満たしていれば、施設の規模などに関係なく一定の努力で認証を取得することが出来ます。

この制度の特徴は、HACCPシステムを効果的に機能させるための一般的衛生管理プログラムが主軸となり

  • (1) 施設設備、機械器具の衛生管理
  • (2) 施設設備、機械器具の保守点検
  • (3) 従事者の衛生教育
  • (4) そ族昆虫等の防除
  • (5) 使用水の衛生管理
  • (6) 排水及び廃棄物の衛生管理
  • (7) 従事者の衛生管理
  • (8) 食品等の衛生的な取扱い
  • (9) 製品の回収方法
  • (10)製品等の試験検査に用いる機械器具の保守点検

についての各作業手順を明らかにして文書化し、さらに衛生管理の実施状況を確認してその記録を残すことを要求しています(一部無い場合もあります)。

制度導入の事業者にとってのメリットは、

  • 1.消費者から見えにくく、評価されることが少ない自主的な衛生管理の取組みに対する努力が評価されます。
  • 2.第三者機関が認証することで、自主管理の努力が客観的に評価され、社会的信頼が得られます。
  • 3.大規模な設備改善をしなくても、衛生管理の水準を上げることが出来ます。
  • 4.食中毒等の食品事故発生のリスクを低減することが出来ます。

などがあり、消費者にとっても認証施設等の公表された情報が、食品の購入や店舗選択の一助となり、食虫毒等の食品事故に遭うリスクを低減することが出来ます。

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