食品をより安全にするための5つの鍵

2006年に世界保健機関(WHO)が「Five Keys to Safer Food Manual(食品をより安全にするための5つの鍵マニュアル)」を出版しています。食品衛生の基本的な知識や行動を普及するために作られたものです。食品衛生知識の理解と行動ができないために発生する「食中毒」については、設備などが十分とは言えない発展途上国のみならず、本邦においても年々減少の傾向にあることはなく、日々の生活において非常に身近な問題のひとつです。そこで、上述の「5つの鍵」をベースに置いた「家庭で出来る食中毒予防の注意事項」を取り上げようと思います。

第1の鍵:清潔に保つ

「清潔に保つ」とは正しい手洗い・調理器具の洗浄消毒の実施、ねずみ、昆虫などを食材や調理場から守るということです。食中毒の原因となる微生物はそのままでは目に見えません。食材と場所、人を洗浄・消毒などによって、常に清潔に保つことが重要です。

第2の鍵:生の食品と加熱済み食品とを分ける

生の食品には、危険な微生物が含まれている可能性があり、調理中に他の食品へ移行する可能性があります。食材ごとに包丁、まな板を使い分けるなどが重要なポイントとなります。生肉に触れた手指から移行する可能性もあるので要注意です。

第3の鍵:よく加熱する

適切な加熱により、多くの微生物を死滅させることができます。加熱が必要な食品は十分に熱を加えて、微生物を死滅させることが重要です。

第4の鍵:安全な温度に保つ

食品が室温で保存されていると、微生物が急速に増える可能性があります。温かい食品は熱い状態を保ったまま、調理済みの食品や生鮮食品などは冷たい状態を保ったままで保存をするのが、微生物の増殖を防ぐポイントとなります。

第5の鍵:安全な水と原材料を使う

原材料として、新鮮で良質な食材を使用すること、生で果物、野菜を食べるときは良く洗うことが、リスクを減らすポイントです。

以上の5つの鍵は、非常にシンプルで様々な人種、世代に理解しやすい内容となっており、個々人のリスクを減らすのは、ちょっとした知識と行動にあるのが解ると思います。この「5つの鍵」が食品衛生について家族間などでの話し合いのきっかけとなれば幸いです。

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