群馬県食品自主衛生管理認証制度①

群馬県は食の安全性確保の取組みとして「群馬県食品自主衛生管理認証制度」を創設しました。この制度は、食品関連施設が取り組んでいる自主的衛生管理を群馬県が指定した第三者機関が審査し、群馬県が定める基準を満たしている施設に認証し、公表するというものです。私もこの基準を設定するに当たり、「群馬県食品自主衛生管理認証制度基準設定専門委員会」のメンバーとして参加し、基準設定に取り組んでまいりました。

食品会社の衛生管理認証制度といえば、「総合衛生管理製造過程承認制度」(日本版HACCP)がありますが、この制度(食品衛生法において、製品の規格基準や製造における規格基準が定められた食品<乳・乳製品、食肉製品、容器包装詰加圧加熱殺菌食品、魚肉練り製品、清涼飲料水>を対象に承認する制度)とは異なり、県で定める管理運営基準の上乗せ基準(自主衛生管理認証の基準)を満たす施設の自主的な衛生管理の取組みを評価するもので、県内の多くの業種(漬物製造、こんにゃく製造、めん類製造、そうざい製造、菓子製造、豆腐製造、飲食店、給食施設、食肉処理、食肉販売、魚介類販売及び乳類販売施設)に対して対象範囲とされています。

そして、あくまで消費者の選択を促す制度である事が目的です。認証制度の受ける側と与える側という観点から考えると「バランス」という問題が制度内容のキーポイントとなります。衛生管理に関して「これを行えば絶対に・・・」という制度は世の中に存在しません。

事故確率の軽減対策は予防となりますが、どんなに追及しても事故の可能性が0%にはなりません。過去には承認施設が大きな食中毒事故を起こし、国の承認制度のあり方にまで問題とされたことがありました。その為、その事故以後の承認に関しては承認審査員達の審査も厳しくなり、承認制度自体も高い壁となったと耳にしています。

こうなると、数多くの施設がチャレンジすることは望めないし、承認を与える側も承認を与えた施設が事故を起こされると困った事態に陥る事が想定されれば、必然的に厳しくせざるを得なくなる事が想像されます。今回の制度は、多くの業種に範囲が広げられ、多くの施設に認証を受けて頂きたいと設定されています。多くの企業の衛生管理の取組みを評価し、県民に対して広くアピールする事で消費者の購買基準のひとつになることが、この制度の成功であると思います。その為にも、より多くの企業にチャレンジして頂き、より多くの企業に認証して頂きたいと望んでおります。

youtube