現状確認を!

各食品製造会社は地元の食材を利用するなど試行錯誤しながら新たな商品作りに苦労されていることでしょう。しかし、新しい商品を開発中に、法律(条例)を知らないがために、知らない間に法律(条例)違反を起こしているケースが存在します。

たとえば、群馬県には、たくさんの有名な温泉地がたくさんあります。その地域には、温泉水を使用した○○、といった類の食品がたいてい販売されています。その製造者に問い合わせると、使用している温泉水は、飲泉許可を取っている温泉水を使用しているとのこと。飲泉の許可は、群馬県の場合、知事によって許可されます。そのため、製造者は飲泉できる=食品にも使用できると勘違いする場合が多々あります。

飲泉許可に必要な検査項目は、一般生菌、大腸菌群、過マンガン酸カリウム消費量の3項目です。それに対して、食品に使用できる水は、水道法で許可されている水(51項目検査)または、食品衛生法で許可されている水(26項目検査)と多くの検査項目に適合していなければなりません。それを知らないで、未検査のまま商品を製造販売した場合は、食品衛生法違反になります。

そうざい製造業の営業許可のみを取っている製造業者が、取引会社の依頼や顧客の要望により、ハンバーグ(食肉含有量50%以上)を製造し販売した場合も、食品衛生法違反になります。ハンバーグ(食肉含有量50%以上)は、食品衛生法のそうざいではなく、食肉製品として扱われます。そのため、新たに食肉製品製造業の許可を取得しなければなりません。さらにハンバーグを冷凍(-15度以下)で販売する場合は、食品の冷凍又は冷蔵業の許可が必要になります。

時代の変化とともに、営業開始時と異なる商品、原材料を使用することは、多々あると思います。食品衛生指導員や保健福祉事務所の職員の方々が製造業者のもとに巡回に来ますが、実際の業務まで確認することは不可能です。法律的にも安心・安全な商品作りのために1年に1回以上は、現状の製品や使用原料、営業許可等を最寄りの保健福祉事務所に確認しましょう。

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