アスベスト分析に係る精度管理や資格とは?

前回のコラムでは石綿含有有無の調査に係る資格についてお話いたしました。
今回は、石綿分析を行う上で分析の技術精度や知識を確認、補強する上で必要な資格や認定事業についてご紹介します。


ただ、石綿分析を行う上でも、必ずしも必要というわけではありませんが、

次のような事業に参加し、知識と技術を向上していかなければ、分析結果
が正しく得られていない可能性もあるかもしれません。


①石綿分析技術評価事業(公益財団 日本作業環境測定協会)
旧称:石綿分析に係るクロスチェック事業
 建築物等の解体等作業の事前調査に関して定めた石綿障害予防規則第3条における「石綿の使用の有無の分析による調査」を行う者については、平成24年厚生労働省化学物質対策課長通知により、「十分な経験および必要な能力を有する者」として、この事業のAまたはBランクの認定を受けた者による分析の実施が推奨されており
、内容としては、石綿含有と無含有の試験試料が協会より参加者へ配布され、各JIS手法毎に分析者が結果を報告し、協会から分析精度の合否認定を受けられる事業になります。

②アスベスト偏光顕微鏡実技研修
(一般社団法人 日本環境測定分析協会)
この研修会では、建材定性分析コースとアスベストモニタリング用として大気コース、建材定量分析コースの3種類があり、さらに技術的向上を目的として建材定性分析エキスパートコースがあります
例として建材定性分析コースは、JIS A 1481-1に基づく建材中アスベストの定性分析の実技研修への参加により、光顕微鏡の原理・操作、資料の前処理、プレパラートの作製等の技能研修を受け、スキルアップのための研修会とされています。

③アスベスト分析技能試験
(一般社団法人 日本環境測定分析協会)
この技能試験では、JIS A1481-1に関する、技術者または分析機関毎に配布された試料の定性分析を行い、合否結果によって評価されるというものになります。

3つの研修や技能試験をご紹介しましたが、
弊社でも上記2つ(①,②)について今年度参加しており、技術的なスキルアップを心がけております。
これらの試験について詳しい詳細は、それぞれのHPをご参照いただけますと幸いです。

分析業と言えども、精度管理のみで判定できるほど石綿の分析については容易くはありません。
これらのスキルアップ、精度管理を行い、技術を磨きつつ、調査者側の知識、視点を有した上で分析を行うことが、より正しく精度の担保された分析結果をご提供していけるのではないかと思います。

以上となりますが、ご参考にしていただければ幸いです。
食環境衛生研究所ではお客様へ正確な情報と知識をもとにご相談に乗れるよう、今後も取り組んで参ります。
些細な事でも構いませんので、お問合せいただけますと幸いです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

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※2020年8月13日時点での記事になります。
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