アスベストと蛇紋岩

現在弊社ではアスベスト分析を行っています。しかしいまだにアスベストが何なのかっていうのはよく知られていません。
あらためてアスベスト(石綿)についてしらべてみました。
 
以前のコラムで記載したようにアスベストは天然繊維状ケイ酸塩鉱物の総称としての名前です。
幾つかの種類がありますが一番多いのがクリソタイルといわれる物質です。
地球のマグマがゆっくり冷えて出来る「かんらん岩(マグマ由来なので熱に強く、溶鉱炉など製鉄の部材に使用されるそうです)」が、地下深部で地下水の作用を受けて成分が変性して「蛇紋岩」とそれ以外の鉱物に分かれます。
蛇紋岩はケイ素(シリカ)分が鉱物類の中でも非常に少なく45%以下の含有率の岩石となっており、比較的もろくて崩れやすい、あるいは加工しやすい性質を持ちます。
(岩石としての蛇紋岩は現在でも庭石や石材としても使用されており、土地の地盤自体が蛇紋岩を多く含む地域もあります。なお、この時点で使用されている蛇紋岩自体の直接の健康への影響はないといわれています。また蛇紋岩自体はマグネシウムが多く含まれ、これを利用して農業生産につなげて有効利用するケースもあります。)
 
地中の蛇紋岩がかなり長い年月をかけて風化されてくると、岩石の中に含まれる結晶が綿状に露出していき、地面の中から石綿として採掘できるようになります。
これがクリソタイルといわれ、不燃性かつ容易に加工できる素材として広く利用されてきました。
現在ではご存じの通り、細かい粒子が粉塵として舞い、肺に入ることで除去できなくなり、健康被害を及ぼすことから規制が行われています。
 
他のアスベスト成分も同じですが、アスベストはもともと地球を構成する鉱物の一種で、古くから人類は有効利用してきたようです。
近年これを人間が利用しやすいように加工して大量生産するようになった結果、健康被害が問題となりました。
今後、他の物質でも同じようなケースが出てくるかもしれません。利用性と同時に安全性も出来る限り検討していけたらいいですね。
 
 
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