爬虫類とサルモネラ症について②
前回のコラムでは爬虫類のサルモネラ保有率に関して書かせていただきましたが、今回は実際に爬虫類の便を使用し、どのくらいの割合でサルモネラの検出が出来るか検証してみました。
知人に協力していただき4種の便を採取し、分離・培養をしました。
協力者↓
①オキナワシリケンイモリ
②オビミズベヘビ
③ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)
④セイブシシバナヘビ
使用した培地はX-SAL寒天培地というサルモネラ選択分離用培地で、培養した結果はこちらです▼
黒いコロニーが生えているものはサルモネラの疑いがあるので、3検体分確認培地に継代をしました。
サルモネラ陽性の性状はこちらを参照してください▼
確認培養法|細菌の検査 各論|神奈川県衛生研究所
血清検査等をし、➁のオビミズベヘビと➃セイブシシバナヘビはサルモネラが検出されました。
➂ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)は黒いコロニーが生えましたがサルモネラ以外の菌でした。
今回はイモリとヤモリ(ヒョウモントカゲモドキはヤモリらしいです)からはサルモネラは検出されず、ヘビ類のサルモネラ保有率が2/2となっており、ヘビのサルモネラ保有率が高いことが分かりました。
爬虫類のサルモネラの保有率は高いので、食品を扱う場所を避けて飼育水交換やケージの掃除などをし、取り扱った後は手を洗うことを心掛けましょう。
小児や高齢者がサルモネラに感染すると重症化しやすいので、日頃の感染対策が大切です。