下痢・腹痛はカンピロバクター?食中毒の疑いと思ったら

カンピロバクター属菌とは

微好気性のグラム陰性桿菌で、牛や鶏といった家畜に加え、野生動物など多くの生物が保菌しています。現在までに十数種の菌種が知られており、このうちカンピロバクター・ジェジュニ (Campylobacter jejuni ) 及びカンピロバクター・コリ(Campylobacter coli )が厚生労働省により食中毒菌に指定されています。通常の大気下では死滅しやすく、乾燥に弱いという特徴がありますが、数百個程度と比較的少ない菌量でヒトへの感染が成立するため、注意が必要です。わが国では、近年発生している細菌性食中毒の中で最も発生件数が多く、また季節を問わず一年を通して食中毒が発生しています。
 

原因食品

主に鶏肉の生食や加熱不十分の鶏肉関連食品などが原因食品として疑われることが多く、鶏肉を汚染源として調理者の手指や調理器具を介して二次汚染された食品が原因と疑われる事例も発生しています。また、殺菌不十分の井戸水や湧水等を感染源とする水系感染事例も報告されています。
 

症状

下痢、腹痛、悪心、発熱、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などが主な症状であり、他の感染型細菌性食中毒と酷似していますが、潜伏期間が1-7日間とやや長い点が特徴です。
通常は1週間程度で治癒することが多いですが、まれに手足や顔面の神経麻痺、呼吸困難などを引き起こす「ギラン・バレー症候群」を発症することがあります。
 

予防法

カンピロバクター属菌は通常の加熱調理で死滅するため、適切な温度・時間で調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)することが大切です。また、食肉を扱ったあとは手を洗う、同じ器具で他の食品を扱わない、等の二次汚染防止も重要です。
 
弊社では、カンピロバクター・ジェジュニ/コリの検査を取扱っております。
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