アスベスト 使用状況による飛散事例について

日本の大気のアスベスト濃度(2004年)は0.1〜0.3 f/Lというデータがあります。また、大気汚染防止法のアスベストの濃度の許容限度を示した法律では、アスベストが発生する施設の境界において、アスベスト濃度が10 f/Lまでに収めるよう定められています。f/Lのfはfiberの頭文字であり、f/Lは大気1L中のアスベスト繊維の本数を意味しています。
 
最も危険とされている吹き付けアスベストについては、吹き付けアスベストがある部屋で何も触らずに静かにしている状態での濃度が20 f/L、吹き付けしてある天井を箒でこすると2100 f/L、吹き付けアスベスト除去作業中では8000〜80000 f/Lというデータがあります。
一方、形成板については、ケイ酸カルシウム板を折ると8 f/L、Pタイル除去作業が60〜300 f/L、スレートの手ばらし解体が80〜190 f/L、電動ドリルで穴をあける作業では2000〜20000 f/Lの濃度になったというデータがあります。形成板は、折る、割る、切断するなど加工を行った時に飛散度が高まります。したがってこのような加工はもちろんですが穴をあけたり釘を打ったりすることもできるだけ避けた方が賢明です。
 
アスベストは繊維が非常に細かく軽いため、一度飛散すると、すぐには落下せずにしばらくの間空気中を舞い続ける性質があります。室内に飛散したアスベストが12時間以上経過してようやく全てのアスベストが床に落ちてたまった状態になるといった測定データもあります。
アスベスト含有建材のうち吹き付け材については早急な処置が必要ですが、それ以外については改築や解体の飛散さえ防げば、そのまま使用できる建材もあり、各々の建材の危険性を見極め、その危険度に応じた対処ができることが望まれます。
 
食環境衛生研究所ではJIS A 1481-1に準拠した、偏光顕微鏡によるアスベストの定性分析を行っております。
 
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参考:図解あなたのまわりのアスベスト危険度診断
 
 

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