従属栄養細菌の特徴と役割とは?

従属栄養細菌とは

生育に有機物を必要とする細菌のことであり、比較的低濃度の有機栄養培地を用いて長期間好気培養したときに集落を形成する全ての細菌を従属栄養細菌と呼びます。
これまでの報告では、Alcaligenes 属、Bacillus 属、Flavobacterium 属、Pseudomonas 属、Staphylococcus 属、Mycobacterium 属、Micrococcus 属、Cupiaviadus 属等が同定されています。これらの中には日和見感染症を引き起こすものもありますが、病原性のないものが多くを占めています。
 

従属栄養細菌を測定する目的

従属栄養細菌は水中細菌数を表すものであり、有機汚濁の進んだ水域ほど菌数が多くなることが報告されています。このため、浄水処理過程や消毒過程での細菌の挙動を評価するのに適しています。また、保存水、配水施設及び給水装置内における塩素の消失・滞留や、生物膜の形成に伴って菌数が増加することから、水道施設の清浄度の低下を示す指標としても有用です。
 

従属栄養細菌の目標値

水道水は、「水道法」及びこれに基づく「水質基準に関する省令」によって定められている水質基準に適合するものでなければならず、水道事業者等に検査の義務が課されています。水質基準のほかにも、水質管理上留意すべき項目を水道管理目標設定項目、毒性評価が定まらない物質や、水道水中での検出実態が明らかでない項目を要検討項目として設定しています。
従属栄養細菌は水道管理目標設定項目のうちの1つであり、「1mlの検水で形成される集落数が2,000以下(暫定)」であることが目標値として定められています。
 

検査方法

検査方法として指定されているR2A寒天培地を用いて20±1℃で7日間培養後、培地に形成された全ての集落をカウントし、菌数を算出します。
 

参考文献

上水試験方法2020年版:公益社団法人日本水道協会
 
 
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