タンパク質をアミノ酸に分解する仕組みとは?

ヒトのからだを構成するタンパク質は20種類のアミノ酸で出来ていますが、そのうち9種のアミノ酸はヒトの体内では合成されず、食事から摂取する必要があります。
これらのアミノ酸は必須アミノ酸と呼ばれ、ヒトの場合、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリンが該当します。
前回のコラムでは、タンパク質を構成する各アミノ酸の構造と性質についてご紹介しましたが、本コラムではそれらアミノ酸の定量法についてご紹介します。
 

タンパク質構成アミノ酸

タンパク質とアミノ酸の関係

タンパク質はアミノ酸が多数結合したものであり、各アミノ酸はアミド結合と呼ばれる、カルボキシル基とアミノ基との結合によって繋がっています。タンパク質構成アミノ酸それぞれの含有量を求めるためには、アミノ酸間のアミド結合を切断し単体のアミノ酸に分解する必要があります。
 

タンパク質とアミノ酸の関係

図1 タンパク質とアミノ酸の関係

 

タンパク質の分解

タンパク質中のアミド結合を切断するには、酸やアルカリを添加し加熱する加水分解法が用いられます。この加水分解によりタンパク質は分解され、バラバラのアミノ酸の状態となり、アミノ酸の混合溶液を得ることが出来ます。
通常、酸による加水分解法を用いますが、システイン・メチオニン・トリプトファンは安定的に測定することが出来ないため、システイン及びメチオニンは過ギ酸処理した後に酸加水分解法を、トリプトファンはアルカリでの加水分解法を用います。
 
※加水分解によってアスパラギン/グルタミンはアスパラギン酸/グルタミン酸となるため、アスパラギン酸はアスパラギンとアスパラギン酸の総量、グルタミン酸はグルタミンとグルタミン酸の総量となります。したがって、アミノ酸20種の測定ではなく18種の測定となります。
 

加水分解

図2 加水分解

 

まとめ

以上、タンパク質とアミノ酸の関係及び測定するために必要な分解法についてご紹介しました。次回のコラムでは分解したタンパク質からどのように各アミノ酸の含有量を求めるのかについてご紹介します。
 

あとがき

弊社ではタンパク質構成アミノ酸を検査するアミノ酸検査 (18種) の他、うま味に関わる遊離アミノ酸、その他栄養表示成分検査も行っております。相談等もお受けしていますのでお気軽にお問い合わせください。
 

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